NEW
雨宮寛二「新・IT革命」

ガラケーが使えなくなる日は近い?スマホに“降参した”携帯メーカーは浮上できるのか

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「Thinkstock」より
 日本の携帯電話メーカーが、独自の基本ソフト(OS)を搭載した従来型携帯電話(ガラケー)の生産を2017年以降に中止することが明らかになった。これは、端末メーカーが独自OSの携帯機種生産を中止するが、代わりにOSをアンドロイドに統一し、従来のガラケーと同様の機能を備えた機種を生産していく意向を示したものである。

 そこで気になるのは、日本では将来的にガラケーを継続して利用することができるのかという点だろう。結論からいえば、その仕様はアンドロイド次第となる。元来日本では、ガラケーは通話やメールなどの機能に重点を置き、OSや半導体などの基盤技術を端末メーカーと通信事業者とが共同開発してきた。そのため、端末メーカーと通信事業者との間で長年技術や知見が蓄積され、ガラケーの開発に生かされてきた。

 だが、今回の発表によりこうした日本型の開発体制は縮小され、OSがアンドロイドに統一されることになる。そのため、端末メーカーの意向がどの程度OSに反映されるかが焦点となる。

 そもそも日本の携帯電話は05年に世帯普及率が90%を超えたことから、すでに市場は成熟期を迎えていた。この時までに、ブラックベリーがスマートフォン(スマホ)の潜在需要を掘り起こしつつあったが、それを顕在化させ、新たに未成熟な市場を創り出したのがアップルのiPhoneである。iPhoneは07年のリリース以来、スマホ市場を牽引してきた。その結果、ガラケーはスマホに押され、市場が徐々に縮小していった。

 よって、これまで日本の端末メーカー各社は早い段階でガラケーの開発体制を縮小しスマホ開発にシフトすることもできたが、日本ではシニア層を中心にガラケーの人気は衰えず、購入者も半数近く存在していたことから一気にシフトするのは難しかった。そして今回、アンドロイドにOSを統一するというステップを踏むことになったわけである。

難しい舵取りを迫られる携帯メーカー


 今後、日本の端末メーカー各社がアンドロイドを活用してガラケーの開発を継続したとしても、長期的に見れば、ガラケーはスマホに押される可能性が高い。アップルを筆頭に、サムスンや最近ではシャオミなどの中国メーカーが競争力を高め、スマホ市場で勢力を伸ばしつつある中、ガラケー消費者の便益をいかにして守り続けるのか。

 アンドロイドはオープンソースでありながら、グーグルが自社の利益を十分に意識して開発したOSである。世界シェア6割以上を押さえるOSでありながら、スマホの端末市場で十分な利益を出せているのはアンドロイド陣営ではサムスンだけとのデータも散見される。

 今後、日本の端末メーカー各社は、アンドロイドを使って難しい舵取りを迫られることになろう。
(文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員)