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日本の製造業はまだ戦える! あえて「NOと言わない」中小企業・ナカヤマ精密の強さとは

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※画像:『ヒューマシン・カンパニー 「人のような機械」と「機械のような人」が織りなす超精密加工の物語』(中山愼一/著、ダイヤモンド社/刊)

 日本のお家芸として、世界中から高く評価されてきた「ものづくり」だが、近年製造業の拠点は徐々に海外に移り、その衰退は誰もが知るところとなっている。

 そんななか、高度な技術を駆使して、医療や燃料など様々な分野に進出している中小企業があるのをご存知だろうか?

 金型を10億分の1m(ナノメートル)単位で加工する超精密加工技術を持つナカヤマ精密株式会社社長の中山愼一さんは「日本の技術力、現場力の高さは世界に誇るべきもの。もう一度、製造業が攻めの姿勢で事業に取り組み、さらなる高みを目指せば、日本そして世界で生き残る術はいくらでも見出すことができる」と語り、自社の技術を駆使してさまざまな分野へ進出している。

 同社のモットーは「『これ作れないか!』にNOと言わない」。様々な分野から持ち込まれるどんな相談・依頼にも必ず応えるというその姿勢が同社の発展の土台になっている。

■「10億分の1m」というあまりにも精密な世界

 10億分の1m(ナノメートル)と言われても、どのくらいの大きさなのか想像もつかないという人でも、「1ナノメートル=0.001mm」といえば、それがいかに小さいかわかるはずだ。

 たとえば、鋼鉄の金型をある形にくり抜く時、通常の金属加工用の刃物を使えば、当然くり抜いた部分は下に抜け落ちる。しかし、マイクロ加工技術をつかって、2ナノメートルの幅で切断すれば、くり抜いた部分は自重では下に落下しないのだという。肉眼で捉えることなどできるはずもない世界だが、ナカヤマ精密では金属をこの単位で削ったり切ったりといった作業が日夜行われているのである。

■「『これ作れないか!』にNOと言わない」精神で実績のない医療分野に進出

 このような超精密加工技術が生かされようとしている分野として、医療関連機器が挙げられる。

 熊本大学と共同開発を進めている「プロテオミクス装置」はがん細胞やiPS細胞などに含まれる極少量のたんぱく質を高度に自動検出する装置で、がんの発生や治療効果を知る手がかりとなる「腫瘍マーカー」の進歩につながる。

 それまで医療分野での経験がないにもかかわらず、高い加工技術を買われてナカヤマ精密に白羽の矢が立った形だったが、現場の人間からすれば設計から加工、材料にいたるまで課題だらけであり、「こんなに難しい装置がうちで開発できるのか?」という印象だったという。

 しかし、「『これ作れないか!』にNOと言わない」の精神は従業員にも確かに根付いていたし、精密加工技術とノウハウには絶対の自信がある。会社のプライドにかけて「何が何でも完成させる」と開発を重ね、会社と大学を何度も往復してテストと改善を繰り替えし、一号機の完成にこぎつけた。

 知らない分野だからといって敬遠せずにやってみる。「NOと言わない」この姿勢によって、新たな分野でのノウハウや知識が蓄積されていくのである。

 『ヒューマシン・カンパニー 「人のような機械」と「機械のような人」が織りなす超精密加工の物語』(中山愼一/著、ダイヤモンド社/刊)には、ナカヤマ精密の持つ技術力とその技術が可能にするものへの希望が描かれている。

 こうした独自の技術を持つ会社は、中小企業を中心にまだまだあるはずで、それを考えると、製造業には日本を支えるだけのポテンシャルがあるのだ。本書からは全国の中小企業へのそんなメッセージが読み取れる。
(新刊JP編集部)

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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。