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SIMロック解除義務化、ユーザーにメリットない?端末価格値上げや業界大打撃の恐れも

文=佐野正弘/ITライター
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容易に解決できない販売奨励金割引の問題

 とはいえ、キャリア販売奨励金による「一括0円」などの販売合戦は、ユーザーが本当の端末価格を実感できなくなり、特に端末の市場競争環境を歪めているという側面もある。

 例えば、SIMフリー版iPhone 6の価格は約8万円だが、それが0円で販売されていれば、正規の価格で端末を購入したいと考える人は少ないだろうし、日本でSIMフリー端末がほとんど販売されてこなかった要因の1つは、この販売奨励金にあったといえる。

 このように過剰な割引合戦が起きる背景には、国内の携帯電話利用者数が飽和し、キャリア間の顧客争奪戦が過熱していることがある。だがこうした割引施策は、不正をしているわけでもなければ、キャリア同士が協定を結んで展開しているわけでもなく、競争原理によってもたらされているといえる。宮内氏も「一括0円競争をやっている僕ら(キャリア)がバカなんですよ」と話しているが、競争環境が変わらない以上、容易に解決できる問題ではない。

 また安易に販売奨励金を抑制することは、従来キャリアへの販売を主体としてきた端末メーカー、その中でも特に体力が弱っている国内のメーカーへ引導を渡すことにもつながりかねない。このことも、販売奨励金の問題を考える上で重要な要素となる。

 国内メーカーの端末出荷台数は世界的に見ればかなり少ないが、ソニーのカメラモジュールやシャープの液晶ディスプレイに代表されるように、先進性の高い日本のスマートフォン向けに開発された部品が海外製端末に多数採用され、非常に大きな存在感を示すようにもなっている。

SIMロック解除義務化、ユーザーにメリットない?端末価格値上げや業界大打撃の恐れもの画像2ファーウェイは日本から多くのスマートフォン用部品を調達しており、日本からの調達量は全体で2088億円に達している

 実際、中国のファーウェイは2014年度に、日本企業から合計で2880億円分もの部品を調達しているという。そうしたことから先端部品を開発する上でのベースモデルとして、国内メーカーがスマートフォンを投入することは、重要な意味を持っているともいえるのだ。

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