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小林敬幸「ビジネスのホント」

超有望のドローン市場、実はビジネス的な“うまみ”ゼロ?ルンバを超える秘策がある?

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DJI社製ドローン「ファントム2」
 最近、ドローンが関係するニュースがたびたび報じられているが、そこに現れるドローンは、いずれも日本企業の製品ではない。首相官邸の屋上で発見されたドローンは中国DJI製で、長野県の善光寺に落下したドローンは、仏パロット製である。この2社に米3Dロボティックスを加えた3社が、「ドローンの世界3強」といわれている。

 ドローンは世界的に有望な市場と見られており、上記3社のほか、米アマゾン・ドット・コム、CNN、ドイツテレコム、中国百度などが利用に乗り出している。アメリカの国際無人機協会によると、ドローンの市場規模は2025年までにアメリカだけで820億ドル(約10兆円)になり、10万人以上の雇用を生むという予想もある。

 そんな超有望市場に、なぜ日本企業の存在感がないのだろうか。駆動系の機構が重要で、軽くて小さい製品が良しとされるのであれば、いかにも日本の製造技術が生かせる分野に感じられる。

 5月20~22日に千葉県の幕張メッセで行われた第1回国際ドローン展には、自民党の小泉進次郎衆議院議員が来展して飛行体験を行い、テレビでも出展社のドローンが紹介されていた。

 私は会場に足を運んだが、来場者は多く、各種セミナーもほぼ満員だった。しかし、同展は電子・機械部品の展示会「TECHNO-FRONTIER 2015」の一環として行われており、実際にはその片隅で、学校の教室4つ分くらいのスペースに、数えるほどの会社がブースを出しているだけだった。

 いかにも需要がありそうだが、業界的には供給の準備が進んでいないという印象だ。日本企業では、いくつかのベンチャー企業が印象深い実績例を展示して説明していたが、大量に売れているかといえば、そうではない。

ドローンとは?


 ドローンの普及には、スマートフォン(スマホ)、ゲーム機、カーナビゲーションなどの電子機器の普及によって、全地球測位システム(GPS)、加速度センサー、充電池などの主要部品が小型になり、大量生産で低価格になったことが背景にある。

『ビジネスの先が読めない時代に 自分の頭で判断する技術』(小林敬幸/KADOKAWA/角川書店
 従来のラジコンヘリコプターと違うのは、操縦者による操作がなくても、事前にセットした通りに、GPSを駆使して自律的で安定した飛行ができることだ。

 中東で実戦に投入されている軍事用ドローンには、全長5メートル以上あり、固定翼で何十時間も飛行できるものもあるが、民生用ドローンのほとんどは、数十センチから1メートルくらいで、複数のプロペラで20分程度の飛行時間である。従って、軍事用と民生用は見た目も機能もまったくの別物と考えていいだろう。

 中国やフランス企業の売れ筋のドローンは、数万~数十万円でホビー用途が中心であり、撮影などの限られた用途以外には、ほとんど使われていない。その理由には、数キログラム程度の重さしか物を積めないこと、飛行時間が20分程度であること、風であおられ一定の角度以上に傾くと墜落すること、などが理由として挙げられる。