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あの70歳“異次元”社長の勢いが止まらない 誰にも真似できない驚異の“膨張経営”

文=編集部
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あの70歳“異次元”社長の勢いが止まらない 誰にも真似できない驚異の“膨張経営”の画像1日本電産本社(「Wikipedia」より/Jo)
「2020年までに、売上高を現在の1兆円から倍の2兆円にする。うち5000億円はM&A(合併・買収)によって達成する」

 4月23日、日本電産の決算説明会で永守重信会長兼社長がまた大風呂敷を広げた。永守節が復活したのは、車載用・産業用に営業の軸足を移してきた成果が上がってきたからだ。世界トップシェアのHDD用精密小型モーターの需要減をカバーした。

 日本電産の15年3月期連結決算(米国基準)の売上高は前期比17.5%増の1兆283億円、営業利益は31.1%増の1112億円、当期純利益は35.4%増の762億円といずれも過去最高を更新した。連結売上高は初の1兆円台、連結営業利益は初の1000億円台へと共に大台に乗せた。営業利益率は10.8%と優良企業の目安とされる2ケタを達成した。

 事業別では精密小型モーターの売上高が9.8%増の3980億円、「車載及び家電・商業・産業用」の売上高が33.2%増の4600億円。10年度から精密小型モーターから車載と家電・商業・産業用の2事業に軸足を移してきたが、初めて2事業の売り上げが精密小型モーターを上回った。

 事業転換の原動力となったのが車載向けモーターだ。売上高は65.2%増の1970億円、営業利益は2.4倍の166億円と初めて100億円を突破した。

次なる成長への軸足

 近年の電子部品市場における主戦場はスマートフォン(スマホ)向けだった。次の主戦場になると目されているのが自動車向けだ。自動車のエレクトロニクス化が急速に進み、使われる電子部品が増えている。パソコンやビデオ向けHDD(記録媒体)用超小型モーターで世界トップシェアを誇った日本電産が、次なる成長への軸足に据えたのが車載向けモーターだ。

 中期経営計画の20年度連結売上高は15年3月期の倍の2兆円、連結営業利益率15%以上の目標を掲げる。このうち、車載関連で7000億円~1兆円の売り上げを叩き出す計画だ。精密小型モーターは4000~6000億円と設定しており、車載向けモーターを主力製品と位置付ける。車載関連の売上高最大1兆円の半分は、お家芸とするM&Aで積み上げる。

 14年3月、自動車電子制御ユニットを製造するホンダ子会社ホンダエレシス(現・日本電産エレシス)を買収。今年2月には、独車載用ポンプ大手ゲレーテ・ウント・プンペンバウを買収した。2社とも売上高500億円規模の会社だ。

 永守氏は「このペースでいくなら、今後5年で10件。これで5000億円になる」と述べた。同社がこれまで手掛けてこなかった数千億円規模の大型買収については、「車載関連では大型M&Aも考えているので、大きなもの1回でいくこともある」と意欲を示した。さらに、M&Aの対象については「すでに対象会社は確定しており、話し合っているところ」と述べ、常時10件以上の案件を検討していることを明らかにした。

 永守氏は、M&Aを軸に成長を加速させる。かつては赤字企業を買収して「再建王」の異名がついた。これからは買収のスタイルを変えて、「利益の出ている会社」をターゲットにして、連結営業利益率15%以上を目指す方針を示した。

BusinessJournal編集部

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