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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

全身を“汚す”イベントに若者殺到の謎 物欲を失い、特別な「時間の共有」を追求する若者達

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio

現代は「体験型マーケティング」に有利な時代?

 一口に体験型マーケティングといっても、さまざまな種類のイベントが含まれそうだ。前述のカラー・ミー・ラッドのほかには、どんなものがあるのだろうか?

「農業やそば打ちなどの体験イベントも含まれます。体験型マーケティングは2種類のカテゴリに大別することができ、ひとつはカラー・ミー・ラッドや一般的なマラソン大会に代表される、消費者が主体的に参加できる『キャスト型』です。もうひとつは、コンサートやコミック・マーケットなど、消費者が観客として参加する『ゲスト型』です。もちろん、それらの折衷型も想定できます」(同)

 今後、体験型マーケティングは、さらに拡がるのだろうか?

「新たなイベント企画は今後もどんどん提案されてくるでしょう。ただし、参加者が毎回入れ替わると思って、ワンパターンなサービスを提供していると、すぐに飽きられてしまいます。主催者側は、参加者の意気込みに応えられるような新規の演出を盛り込んだイベントに仕立て上げていく努力が常に必要でしょう。しかし、参加者本人のリピートもあると思いますし、その場にいないとわからない楽しさや雰囲気は、参加者からSNSによって大量に拡散されることも期待できます。現代は、『今この瞬間を充実させたい』という気持ちを持った若者が顕在化してきていることもあり、時代的には体験型マーケティングに追い風といえるでしょう」(同)

 今後も、さまざまな種類のイベントが増えていくことは、間違いなさそうだ。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)

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