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巨大メディア「2ちゃんまとめサイト」が日本のオタクカルチャーを破壊する日

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【「月刊サイゾー」立ち読みサイト「サイゾーpremium」より】

――「転載禁止」問題で揺れに揺れてる2ちゃんまとめサイト。一般ニュースを幅広く扱う、月間数千万PVを稼ぐ有名サイトから、ある特定の分野に特化したまとめサイトまで、その数は知れない。風前のともしびなのか、どっこいまだまだ生き延びるのか? 「2ちゃんまとめサイト」の今後を占う!

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(絵/小笠原 徹)

 ニュー速クオリティ、痛いニュース(ノ∀`)、アルファルファモザイク、ニュー速VIPブログ(`・ω・´)……。

 インターネットを日々チェックしているであろう本誌読者であれば、こうしたサイトを目にした経験は何度もあるだろう。これらはいずれも、「2ちゃんまとめサイト」と呼ばれるウェブサイト群だ。

 2ちゃんねる(以下、2ちゃん)をまとめたサイトは2000年頃から存在していたが、現在のような形を取って続々と誕生したのは、04~05年頃のこと。04年といえば 電車男 が話題になった年であり、すでに2ちゃんはネット社会のモンスターとして広く認知されていた。ただし2ちゃんには、特にネットのライトユーザーから拒絶反応を示される要素がいくつもあった。あまりに情報量が多く、気になる話題だけをチェックするのは至難の業であること、荒らし的なレスやエログロ画像などに頻繁に遭遇すること等々である。

 その点2ちゃんまとめサイト(「2ちゃんまとめブログ」「2ちゃん系ブログ」とも)は、こうしたマイナス面を補ってなお余りある魅力を備えていた。これを定義づけるとすれば、運営者が2ちゃんの中から注目度の高いスレッドのみを抽出し、次々に転載していくことで構成されたブログ形式のサイトといったところだろうか。

 もともと2ちゃんのスレタイ(スレッドのタイトル)は、煽り要素が強い半面、内輪受け的なノリも目立つ。一方でまとめサイトは、閲覧者が思わずクリックしたくなるようなものに、運営者によってアレンジされることも多い。例えば、大手マスコミのニュースサイトが「佐村河内氏、短髪姿で謝罪会見」という見出しで報じたニュースを受け、2ちゃんには「【手話不要】佐村河内守氏、まさかの逆ギレ会見【おすぎ似】」といったタイトルのスレッドが立つ。さらにこれが2ちゃんまとめサイトでは「佐村河内守氏が『別人すぎる』と話題に…『聞こえているのでは?』『手話を見てない』との声も」などといったタイトルがつけられる、といった次第である。

 さらにまとめサイトでは、本家2ちゃんのスレッド内の書き込みは編集され、重要と思われる部分は文字を大きくしたり着色したりして強調されるケースも多い。ただしそうやって編集される以上、そこには運営者の趣味、思想、思惑が反映される場合もある。さらにページのいちばん最後には通常、そのサイト独自のコメント欄がついている点も特徴のひとつだ。またサイトを運営しているのは、個人か、そうでなくともかなり少人数のグループだと思われる。

 ネットニュース編集者にして、『ネットのバカ』(新潮社)などの著書でも知られる論客・中川淳一郎氏に、その黎明期の動きについて補足してもらおう。

「まず、雑談系、ニュース系のまとめサイトが登場して、アクセス数を増やしていきました。そうした中、05年末にある大きな出来事が起こります。雑誌『ネットランナー』(ソフトバンクパブリッシング刊、現在は休刊)が記事化した、その年話題になったサイトに賞を贈る企画で、まとめサイトが大賞を獲ってしまうんです」

 大賞を獲ったそのサイト「【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)」の開設は、05年2月。つまり、開設1年にも満たない時点での大賞受賞なのである。これほどまでにこの時期、まとめサイトのニーズが急激に高まったという見方もできよう。

「2ちゃん特有のネガティブ要素を見るのは無駄だと考えた人や、そこまで必死に2ちゃんを追いかけていなかった人たちにとっては、ある程度情報が精査されている2ちゃんまとめサイトは読みやすかったんでしょう」(ネット業界に精通するIT系エンジニアA氏)

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