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あの注目の外資系出身“プロ経営者”が大失態!巨額損失発生で窮地に 不正経理見抜けず

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LIXIL本店(「Wikipedia」より/Rs1421)
 住宅設備最大手のLIXIL(リクシル)グループが、得意の海外M&A(合併・買収)で大きくつまずいた。

 LIXILは5月22日、ドイツの現地子会社Joyou(ジョウユウ)がハンブルクの地方裁判所に破産手続き開始を申し立てると発表した。ジョウユウは4月に売上高や負債額が実態とかけ離れていることが発覚しており、債務超過状態にあるとして破産手続きに入ることを決めた。

 LIXILは昨年買収した独水栓金具大手グローエを通じてジョウユウ株式の72%を握る。破産した場合、410億円の持ち分法投資損失が発生する可能性があると発表した。損失の内訳は株式関連が250億円、債務保証が160億円だが、「ほかにも費用が出てくる可能性がある」(藤森義明社長兼CEO<最高経営責任者>)としており、損失が拡大する恐れがあった。

 さらに6月3日、2014~16年3月期までの3年間の損失が最大662億円に上る可能性があると発表。中国子会社の借入金に対する債務保証が膨らみ、損失計上で15年3月期の連結純利益を下方修正した。内訳は、ジョウユウ株式の帳簿上の価値がなくなることで300億円、同社の借入金に対する債務保証で最大330億円、そのほか子会社に対する調査費用などを計上する。

 損失をほぼ確定させたことから、すでに発表済みの14年3月期連結純利益を447億円から209億円に下方修正。15年3月期の連結純利益も従来予想の245億~310億円から220億円に下方修正した。営業利益は530億~600億円を見込んでいたが、これを510億円とする一方で赤字転落は回避した。16年3月期に関しても最大で330億円の特別損失を計上し、税引き後利益に与える影響は220億円の損失としている。

 LIXILは6月8日、16年3月期連結決算の税引き後利益が前期比86.4%減の30億円にとどまるとの見通しを明らかにした。ジョウユウの破産申し立てに伴い、債務保証分の330億円を特別損失として計上すると正式に発表し、損失は14年3月期以降で総額662億円になる。

 16年3月期の売上高は4月1日付でグローエグループを子会社にしたため、11.7%増の1兆8700億円と想定。営業利益は、原材料価格の高騰が響き、0.6%増の520億円を見込む。同日発表した15年3月期の決算では連結営業利益は515億円(25.2%減)、最終利益は5.1%増の220億円。

 LIXILは6月8日付で社外取締役の川口勉氏らによる特別調査委員会を設置。ジョウユウ買収時のデューデリジェンス(資産査定)が適正に行われたかどうかを調査するという。しかし、ジョウユウの創業者らが過去の帳簿データを意図的に破棄・消去していることから、調査がきちんとできるかどうかは不透明だ。

巨額減損の可能性も

 ジョウユウは中国で設立された水栓金具や衛生陶器のメーカーで、同国で「中宇」というブランドを展開している。11年にグローエが買収して傘下に収めた。LIXILは14年1月、グローエに40%あまりを出資し、今年4月にグローエ株式を追加取得して子会社化したのに伴い、ジョウユウもLIXILの子会社になった。