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社台帝国の二大巨頭からの“上から”発言に発奮して誕生した一口馬主クラブ

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――日本の競馬界を語るうえで避けて通ることができない巨大組織となった「社台グループ」。社台ファーム、ノーザンファーム、追分ファーム、白老ファームなどの大牧場、山元トレーニングセンターやノーザンファーム天栄といったトレーニングセンターを有し、会員制馬主クラブも運営する、まさに“帝国”だ。

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※画像:『一口馬主最強攻略読本』(洋泉社MOOK)

 今年のクラシックでもノーザンファーム生産馬のドゥラメンテが「皐月賞」、「日本ダービー」を制し、2冠を達成。特にダービーはノーザンファーム出身の馬が4着までを独占。同じクラシックレースの「オークス」でも女王に輝いたミッキークイーンをはじめ、4着までをノーザンファーム勢が占めた。もはや社台グループは馬主、厩舎、調教師、騎手に至るまで多大な影響力と決定権を持ち、競馬界に圧倒的な力を誇示している。

 こうした社台グループへの対抗勢力としてたびたび登場するのが「日高」だろう。ゴールドシップが日高産馬としてGI6勝をあげるなど気を吐いてはいるものの、社台にとって日高はもはやライバルではなくなっているという。
 
 生産者関係者が明かすには、社台ファームの吉田照哉氏、ノーザンファームの吉田勝己氏、昨年のGⅠレースの「スプリンターズステークス」を制したスノードラゴンを所有する岡田牧雄氏、牧雄氏の実兄で「マイネル軍団」で知られる岡田繁幸氏の4者会談でその“事件”は起きたとか。

「4人とも幼いころから親交が深く、そのぶん本音で言い合う仲でもある。その席で照哉氏と勝己氏が『牧雄ちゃんのところが一番ショボイよね』や『規模を大きくして、もっと日高の代表として頑張らなくちゃダメだよ』、『日高を盛り上げないと競馬界がダメになる』などと上から目線で発言したといいます。まあ、2人からすれば旧友への叱咤激励のつもりだったのでしょうが、頭に血が上った牧雄氏は即刻、他牧場を買収し、一口馬主クラブを立ち上げたんですよ」
 
 これまで岡田兄弟は、兄の繁幸氏はビッグレッドグループ代表でサラブレッドクラブ・ラフィアン前代表、コスモヴューファーム社長を務めるなど事業拡大に邁進してきた。だが、弟の牧雄氏は事業拡大や一口馬主クラブへの展開に消極的だったのだが、この4者会談を機に発奮し、ウオッカなどを輩出したカントリー牧場の繁殖部門を2012年に買収。一口クラブも立ち上げて事業拡大に舵を切った。

「その一口クラブが2012年に発足した牧雄氏率いる岡田スタッドを母体とするノルマンディーオーナーズクラブです。JRAサイドも個人馬主の減少を補うため、規模のある牧場には一口馬主クラブ運営への参入をプッシュしていたこともあり、通常なら半年以上の審査が必要にもかかわらず、異例の3カ月あまりで許可が降りた。ノルマンディーオーナーズクラブは想定外の事態に馬集めに四苦八苦していましたが、今ではなんとか格好がつけられるレベルまで上がってきました」(前同)

 日高を拠点にする期待の一口馬主クラブが誕生したキッカケが、社台グループの二大巨頭の“上から目線”発言だったというのは驚きだが、打倒社台帝国に燃える同クラブには要注目である。