NEW

セブン&アイの豹変 怒涛の「全国制覇」作戦が本格始動

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

イトーヨーカドーの店舗(「Wikipedia」より/ITA-ATU)
 流通業界にとって最大の懸念材料は、2017年4月に予定されている8%から10%への消費再増税だ。税率が2ケタになる影響は大きい。再増税前にスーパー業界は再編の動きを見せており、これを見越してセブン&アイ・ホールディングス(HD)は出店攻勢を続けている。

 コンビニエンスストア業界で独り勝ち状態である、セブン&アイHD傘下のセブン-イレブン・ジャパンは6月12日、青森県に8店舗を初出店した。10月には鳥取県に新規出店する。これでセブンの看板がない県は沖縄県だけとなる。

 セブン&アイHDは、一定の地域に集中的に出店するドミナント戦略を取ってきた。かねがね鈴木敏文会長兼CEO(最高経営責任者)は「セブンの競争力は突き詰めるとドミナント戦略に行き着く」と語ってきた。コンビニを一定エリア内に高密度で出店すれば商圏の客を囲い込めると同時に、物流や商品調達を効率化できるメリットがある。それでも、儲かりそうもないと判断した地域には出店していかなかった。だが近年、持論を引っ込めたかのような勢いで、これまで目を向けなかった地域へも積極的に出店している。

 セブン&アイHDが次代の流通モデルとして掲げているのがオムニチャネルである。店舗だけではなくインターネットを含め販路を複数持ち、顧客を囲い込む。オムニチャネルが先行している米国では、配送拠点の有無が成否を決めたということがわかってきたため、同社は配送拠点として全国に店舗網を持つコンビニを活用することにした。これが、空白地にコンビニを相次いで出店する理由とされる。

西日本への進出


 スーパーも同様であり、オムニチャネルを遂行するには全国にチェーン網を張り巡らせることが必要になる。セブン&アイHDはスーパーでもドミナント戦略を取ってきた。東京が創業地のイトーヨーカ堂は店舗の7割が関東に集中しており、西日本地区は手薄だ。今年1月に「地域性重視」を掲げ、全国を9ブロックに分け、組織を再編した。狙いは西日本地区のスーパーの強化にある。

 14年1月、岡山の食品スーパー、天満屋ストアと資本提携し、岡山と広島への進出の足がかりを得た。15年3月には大阪の大手スーパー、万代(まんだい)と業務提携し、今後1年間をメドに資本提携を目指す。全盛時代のダイエーを打ち負かしたことで有名な「安売り王」の万代は、ドミナント戦略を取る。大阪、兵庫、京都、奈良、三重の2府3県に150店を展開しているが、このうち100店超が大阪府内だ。15年2月期の売上高は2963億円、大阪の食品スーパー業界で12%のシェアを持つ。