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雨宮寛二「新・IT革命」

グーグル、革新を生むスゴい制度 社員同士で報酬付与、異議を唱える義務、独自の面接手法

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サイト「グーグル」より
 グーグルの革新性の源泉とは、いかなるものであろう。従来「20%ルール」(就業時間の20%を本業以外の研究などに費やすことを社員に推奨するルール)こそが、グーグルのイノベーション開発の代名詞であったが、同社の革新性の源泉はそれだけにとどまらない。それは、人材の採用に始まり、企業文化、報酬、組織、福利厚生など、さまざまな分野で導入・展開されている、独創的かつ複合的なマネジメントに見いだすことができよう。

 グーグルでは、理想とする人材を「スマート・クリエイティブ」と称し、人材採用の選定基準を設定している。その基本的要件は、「ビジネスセンス」「専門知識」「クリエイティブなエネルギー」「自分で手を動かして業務を遂行しようとする姿勢」の4つである。

『アップル、アマゾン、グーグルのイノベーション戦略』(雨宮寛二/エヌティティ出版)
 グーグルは、これらの要件を満たす人材を採用するため、システム化された独自の面接手法を採っている。それは構造的面接と呼ばれるもので、一連の整合的な質問に回答させることで、回答の質を横断的に評価するというものである。

 この構造的面接には、行動面接と状況面接の2つがあり、グーグルはこれらの面接を組み合わせることで、スマート・クリエイティブの発掘に結び付けている。行動面接では、求職者はこれまでの自分の業績を説明した上で、それを応募した仕事といかに調和させるかを説明しなければならないし、状況面接では、「もし、~なら、あなたはどうしますか」といった仮想的な質問に答えなければならない。

 グーグルはこうしたハードルを求職者にいくつも課すことで、彼らがスマート・クリエイティブであるか否かを見極めていく。

独創的で複合的なマネジメント


 他方でグーグルは、入社後にスマート・クリエイティブが自由にモノを考える環境をマネジメントすることに注力している。例えば、「異議を唱える義務」を重視する文化を社内に浸透させることで、能力主義を徹底させている。

 報酬の面でも工夫を凝らしている。報酬といえば通常は、会社が社員に出す給与を指すのが一般的であるが、グーグルでは、社員同士でボーナスを支給する制度を導入している。これは、管理者の承認や社内手続きを必要とせずに、1人1回175ドルまで社員が社員にボーナスを支給できる制度である。

 ほかにも、ネット上で社員が相互に褒め合う「gサンクス」といった制度、さらには、撤退した事業の開発チームにもわずかばかりではあるが報酬を出す制度なども導入している。