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ノンアルビールで太らないのはどっち?トクホと機能性表示食品、どれを買うべき?

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「Thinkstock」より
 6月から機能性表示食品が売り出され、テレビでも盛んにCMが流れていますが、「特定保健用食品(トクホ)と機能性表示食品とは、どう違うのか?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 例えば、最近発売されたトクホのノンアルコールビール「サッポロプラス」(サッポロビール)には、「糖の吸収をおだやかにする」と表示され、一方、機能性表示食品のノンアルコールビール「パーフェクトフリー」(麒麟麦酒)には、「脂肪の吸収を抑える/糖の吸収をおだやかにする」と表示されています。同じように見えますが、トクホと機能性表示食品とでは、制度上明らかな違いがあるのです。

 トクホとは、健康維持のために特定の機能(働き)を持つ成分を含む食品のことです。トクホは許可制で、許可を受けたい企業が、効果や安全性を示すデータを消費者庁に提出し、それに基づいて審査が行われます。そして安全性と効果が認められれば、トクホとしての許可が得られ、一定の効果の表示が許されるのです。具体的には、「おなかの調子を整える」「脂肪の吸収を抑える」「コレステロールの吸収を抑える」「糖の吸収をおだやかにする」「血圧を下げる」「虫歯を防ぐ」などです。トクホは、健康増進法に基づく制度で、1991年に発足し、すでに許可を受けた製品は1100品目を超えています。

 一方、機能性表示食品は、今年4月から施行された食品表示法に基づく制度です。加工食品やサプリメントに加えて、野菜や果物などの生鮮食品についても、健康の維持・増進効果などを具体的に示せる、すなわち機能性表示ができるというものです。機能性表示をするためには、食品に表示する内容、安全性や機能性の根拠に関する情報、生産・製造・品質の管理に関する情報などを、発売日の60日前までに消費者庁に届ける必要があります。そして、それが受理さえされれば機能性を表示して販売できるのです。

 つまり、トクホは消費者庁の許可を得ている、すなわち国のお墨付きがあるのに対して、機能性表示食品は、それがないのです。メーカーが根拠となるデータを集めて、それを消費者庁に届け出るだけで機能性表示食品として販売できるのです。
 
 今後は、機能性表示食品が次々に発売され、トクホの発売は減るでしょう。なぜなら、トクホとして許可を受けるためには、人間に対して効果があることを示す臨床試験データ、あるいは効果を示す科学的データを消費者庁に提出しなければならず、許可を受けるまでに長い時間や莫大な費用がかかります。これではメーカーとしての販売戦略が立てにくく、リスクも大きくなります。

 これに対して機能性表示食品の場合、効果を示すデータや安全性を示すデータなどを収集して消費者庁に届け出れば、販売が可能なのです。そのため、コストも少なくて済みますし、許可を受けるまで待つ必要もありません。つまり、企画した製品を短期間のうちに市場に出せるのです。