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三村昌裕「変革の時代と向き合う企業戦略」

ソフトバンク「108万円」Pepper、ロボット一家に一台狙う?同社の周到な戦略

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ソフトバンク「Pepper」(「Wikipedia」より/Tokumeigakarinoaoshima)
 期待と落胆を世の中に与えながら、ついに私たちの日常に定着し始めたロボット。実用か娯楽か――。家庭用ロボットを送り出すメーカーは、ユーザーに届ける価値や機能の選択を迫られてきた。今後ロボットは、私たちの生活に、どのように入り込んでくるのだろうか。

実用に軍配が上がる家庭用ロボット


 潜在的なユーザーのニーズを探りながら商業的成功を収めることは容易ではない。1999年6月に登場したソニーのロボット「AIBO」は、累計15万台を家庭に送り込みペットロボットのジャンルを確立したが、昨年3月、同社は修理対応の終わりを宣言した。AIBOとユーザーとの交流は、やがて感情移入によって相棒(AIBO)となり、合同葬儀が行われるほどロボット本来の機能や価値を超えた絆を育むことを示した功績は大きい。

 米アイロボットが開発したお掃除ロボット「ルンバ」は、2004年4月発売以来、国内出荷累計100万台を超えるヒット商品となった(13年10月末の同社日本総代理店セールス・オンデマンド発表資料より)。お手伝いという誰もがロボットに期待する実用性を潔く実用化したのが、いかにも米国らしい。その後、東芝、シャープ、パナソニック、英ダイソンといった名だたるメーカーが参入し、今やお掃除ロボット市場は、国内年間約60万台、掃除機に占める割合も10%に近づく勢いだ(市場調査会社シード・プランニングが実施した、「お掃除ロボット」のユーザー調査と20年までの市場予測より)。

 商業的には、今のところ実用に特化したロボットに軍配が上がる。こうした傾向は、首相官邸への無人機落下事件で話題となったドローンにもいえることだ。ホンダの「ASIMO」に代表されるヒューマノイド型ロボット(人型ロボット)を追求し、より人間に近づくことを目指す姿勢は、日本のメーカーや研究機関に特徴的だが、その用途については暗中模索が続いている。

ソフトバンク「Pepper」の販売戦略


 そうした中で6月、ソフトバンクが「Pepper(ペッパー)」を一般向けに販売開始した。価格は、本体が19万8000円(税別価格/以下同)。月々の料金プランがPepper基本プラン加入で月額1万4800円。さらに、Pepper保険パック加入で月額9800円となっている。ここで注目されるのは、いずれの月額料金プランも36カ月の割賦販売となっており、すべてを加算した支払総額は約108万円にも上ることだ。この料金プランからソフトバンクの今後のロボット販売戦略の青写真が見えてくる。

 この割賦販売方式は、現在ではどの携帯電話会社も行っているスマートフォン(スマホ)の販売方式である。スマホ本体の支払いを割賦払いとする代わりに、月々のサポートとしてユーザーに一定金額を還元するお馴染みの方式だ。実はこの方式は、ソフトバンクが携帯電話事業に参入するに当たり、当時一般的であった端末の0円販売に代わる販売手法として考案されたものだ。