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MINMIが最新リミックス盤で示した“遊び”としての音楽とは? 磯部涼が楽曲解説&テーマ分析

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【リアルサウンドより】

 リミックス、リエディット、リコンストラクト……ポップ・ミュージックにおいて、オリジナルの音源を改変したり、素材として使用することで、もともと持っていたポテンシャルを引き出す、もしくは、まったく違ったものをつくりあげる手法は様々な呼ばれ方をしている。そして、この『新MINMI☆FRIENDS~“BAD”“MINMI”というネタをラッパー、トラックメーカーがどう料理したのか~』で行われていることは、例えば〝リプレイ〟と名付けるとしっくりくるのではないだろうか。何故なら、文字通り〝リプレイ=再演〟という意味でもあるが、〝リプレイ〟に含まれている〝プレイ(遊び)〟という単語のニュアンスが本作を象徴しているように思えるからだ。

 MINMIの近作『I LOVE』(2013年7月)から2曲、『BAD』(2014年9月)から11曲を選んで、トラックメーカーやディージェイ、ラッパーなど多種多様なアーティストたちに託した『新MINMI☆FRIENDS』は、そう言いたくなるぐらい遊び心に満ちているし、そもそも、このアルバムに収められた多くのトラックが志向しているダンス・ミュージックは〝遊び〟のための音楽である。ただし、それは、チャラいとかいうことではなく、古来、日本で〝遊び〟という言葉が音楽を楽しむことを指していたように、〝遊び〟こそは音楽の本質なのだ。また、本作は、ダンス・ミュージックの盛り上がりによって、さながら、世界がひとつのプレイグラウンド(遊び場)になったかのような現在の音楽の状況をコンパイルしたアルバムだとも言える。では、具体的に各楽曲を解説しながら、そういった全体的なテーマについて考えて行こう。

 『新MINMI☆FRIENDS』は、イントロに続いて、アルバム『BAD』でも1曲目に据えられていたタイトル・トラックを、同曲のトラックメイカーであるRED SPIDERが、同じリディムを使ったBES「解き放て」、KENTY GROSS 「かも知らん?!」とミックスした、いわゆるワン・ウェイもので幕を開ける。RED SPIDERは言うまでもなくMINMIとは大阪時代からの長い付き合いであり、「BAD」は原点回帰を感じさせるようなダンスホール・チューンでもあるけれど、キャバレー風のイントロに続いて打ち鳴らされるビートは、ステッパーズをミニマル・ダブにリミックスしたようだし、だからこそ、ワン・ウェイがまるでテクノのDJ・ミックスのように聴こえる辺り、同曲がダンスホール・レゲエをアップ・トゥ・デイトし、クロスオーヴァーを試みていることが改めて分かる。

 続く「EZ」(トラック02)はダンスホールから一転してのラップ・チューン。オリジナルは、00年代以降の日本のラップ・ミュージックにおける最重要プロデューサーであるBACH LOGICが手掛けた、Snoop Dogg「Drop It Like It's Hot」をハードにしたようなビートに乗って、MINMIがやはりハードだが何処かキュートなラップを聴かせる楽曲だったが、本作収録のリミックスでは、彼女に代わってBACH LOGIC主宰のレーベル<ONE YEAR WAR MUSIC>(O.Y.W.M.)に所属するラッパー=AKLOがまさに遊び心に満ちた洒脱なワード・プレイを聴かせる。

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