NEW

日本、戦争開始が容易に 開戦理由は秘密、秘密情報取得した人は逮捕起訴

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フリーランス表現者43人が提起した秘密保護法違憲訴訟の原告本人尋問終了後の報告会。左から原告代理人・堀敏明弁護士、原告・寺澤有氏、原告・林克明(筆者)、原告代理人・山下幸夫弁護士。6月3日、弁護士会館

自民・公明両党が7月15~16日、「戦争法案」と揶揄される安全保障関連法案を衆議院特別委員会、衆院本会議で立て続けに強行採決した。今後、参議院で60日間経ても採決できなければ衆院に戻し、議員の3分の2以上の賛成で法律を成立させるという与党側の目算だ。

 圧倒的大多数の憲法学者や歴代の内閣法制局長官が、安保法案を違憲と指摘している。憲法98条は違憲立法を禁止しているにもかかわらず、その違憲立法ともいえる法案の採決を強行したのだから、独裁政治の始まりとの指摘が多いのも当然だろう。

 まさに民主主義の危機だが、その危機を拡大させるのが「特定秘密の保護に関する法律」(特定秘密保護法)の存在だ。防衛やテロ情報などを行政庁の長が特定秘密に指定し、国民への公開義務がなくなる。何が秘密かは秘密なので、ごく一部の人しか内容は知らされない。

 したがって意図しなくても、特定秘密を取得したとして突然逮捕起訴され、重罰に処せられる可能性のある法律なのだ。

 以前から、「安保関連法を実際に運用させるためには、秘密保護法は不可欠な存在」と指摘されていたが、ここにきてその姿をはっきりと現し始めた。

 7月1日、中谷元・防衛大臣は、衆院特別委員会において重大発言をした。集団的自衛権を行使するか否かを判断する情報について、(1)特定秘密保護法の適用される情報が含まれる場合もある、(2)情報源や具体的な数値は明示しない、という趣旨である。

 つまり、根拠となる情報や情報源を秘密にでき、なおかつ政治家や官僚が責任追及されないのだから、安心して開戦を決定できる。秘密保護法は、戦争を実行可能にするために利用できることが明確になった。

フリーランスの報道の自由は確保されるのか

 このような状況は当初から予想されていたため、フリーランス表現者(ジャーナリスト、編集者、映画監督、写真家など)43人が2014年3月、秘密保護法は報道の自由、言論表現の自由を保障した憲法に違反するとして国を相手取り訴訟を起こした。筆者も原告の一人である。

 裁判の論点の一つは、フリーランスの取材報道の自由が確保されるかどうかだ。秘密保護法22条には「国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない」とあり、出版または報道の業務に従事する者の取材行為は、正当な業務による行為とされている。