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野村不動産、“業界初”の合併は大博打?閉塞感漂う業界の再編促進か自滅か

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野村不動産が入居する新宿野村ビル(「Wikipedia」より/Rs1421)
 野村不動産ホールディングス(以下、野村不動産)は5月27日、傘下のJ-REIT(不動産投資信託)3社が10月1日付で合併すると発表、J-REIT業界に衝撃が走った。

「ずいぶん大胆な戦略転換だが、成長シナリオが狂えば自滅の道をたどる可能性がある」「行き詰まり感があるJ-REIT業界再編の口火になる」など、業界関係者の評価は分かれている。

 合併するのは、物流・商業施設複合型の野村不動産マスターファンド投資法人、オフィスビル特化型の野村不動産オフィスファンド投資法人、住宅特化型の野村不動産レジデンシャル投資法人の3社だ。

 この3社は合併後にすべて消滅、新たに投資法人が設立される新設合併となる。新設される投資法人は、10月2日付で投資対象を限定しない総合型REITに生まれ変わる予定だ。また、投資対象の異なる特化型J-REIT 3社の合併は業界初となる。

 新投資法人の運用資産額は約7800億円となりJ-REIT業界で4位に、総資産額は約9200億円となり、同2位に浮上する見込みだ。

 3社の経営資源を集約して大規模化することにより、収益の安定性と成長性の両立を図ると共に、物件獲得における競争力を高めるのが合併の狙いだ。同時に、従来の特化型から総合型に投資戦略の転換も図ることになるが、野村不動産の真の狙いは、どこにあるのだろうか?

グループ開発物件売却の自由度確保が狙い?


 不動産証券化協会によると、15年4月末現在でJ-REITは40銘柄が上場されており、時価総額は約10兆円となっている。業界内では、「成長は頭打ち」との声も聞かれるのが現状だ。

 上場されている約40銘柄のJ-REITは、投資対象をオフィスビル、商業施設、賃貸住宅、ホテルなどの単一用途物件に限定した「特化型」、オフィスビルと商業施設など複数の用途物件に投資する「複合型」、投資対象を限定しない「総合型」の3タイプに分かれている。

 銘柄の比率は、特化型が約45%、複合型が約23%、総合型が約32%で、特化型が半分近くを占めている。

 しかし、特化型には問題点がある。例えば、オフィスビル型は基本的に収支が安定していて収益率も高いが、景気の影響を受けやすく、市況次第で収益率が急速に低下する傾向があるのだ。また、賃貸住宅特化型の場合は景気の影響を受けづらいため賃料収入は安定しているものの、収益率はオフィスビル特化型より低い傾向があるなど、投資対象により業績が変わってくる。