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又吉小説、吉本の印税半分“4千万円搾取”疑惑に批判殺到 新たな火種生む懸念も

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吉本興業東京本部(「Wikipedia」より/Kentin)
 お笑いタレント・又吉直樹(ピース)の小説『火花』(文藝春秋)が、第153回芥川龍之介賞を受賞した。掲載誌の『文學界』(同)は創刊史上初の増刷となり、お笑い芸人としては初の芥川賞受賞となるなど異例ずくめの『火花』。単行本は受賞直後に40万部の増刷が決まったが、全国で品切れの書店が相次ぎ、21日にはさらに20万部の増刷が決定。累計発行部数は124万部に上る。大ベストセラー小説の誕生により、又吉が受け取る印税額は1億円を超えるともいわれている。

 だが、17日付スポニチアネックス記事などによれば、現在までに8,300万円ほどの印税が生じているが、又吉が所属するよしもとクリエイティブ・エージェンシー(以下、吉本)を経由するため、実際に本人に渡るのは4,000万円ほどになるという。これを受け、印税の約半分を事務所が得ることに驚きが広まるとともに、一部インターネット上などでは吉本に対して「アコギすぎる」「感覚がおかしい」など批判が殺到している。こうした慣習は、業界では一般的なのであろうか。

「出版業界の慣例では、書き手が原稿を書く場合、出版社と直接やりとりをせず編集プロダクションなどを通すと、出版社から支払われる原稿料の約2割をその編プロに取られます。編プロを通すことでまとまった仕事を取りやすいといったメリットがあります。アコギな編プロだと3~4割といったところもありますが、さすがに半分を超えることはありません。もちろん吉本は又吉の所属事務所であり編プロではありませんが、それにしても約半分も持っていくというのは取りすぎでしょう」(出版業界関係者)

 タレントやスポーツ選手などが本を出版する場合、いわゆるゴーストライターの使用や口述筆記といったスタイルがしばしば取られるが、その必要経費として一定の金額が「執筆者」とされる本人への印税から差し引かれるのは当然といえる。しかし、又吉の場合はすべて自分で執筆しており、小説執筆のきっかけは出版社編集者が直接又吉へオファーしたことだったと明かされており、吉本が“仕事を獲って”きたわけではない。

「日本ではあまり馴染みがありませんが、海外では作家の私生活全般の世話から原稿依頼の管理まで、一貫してサポートするエージェント制度がさかんです。いわば、作家専属のマネージャーですが、エージェントの取り分は一般的に印税の15~20%程度。それからみても、吉本の取り分は多すぎといえます」(同)

過去に退社騒動も


 吉本といえば2007年、所属していたお笑いタレント島田洋七が書き大ベストセラーとなった小説『佐賀のがばいばあちゃん』(徳間書店)シリーズの印税配分をめぐり吉本と対立。同作は書籍売り上げだけで20億円以上に上り、吉本は宣伝協力などを名目に印税の配分を求めたが、島田は拒否し、結局契約解除に至った。