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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

イオン“革命的PB”トップバリュ、超高品質を実現する驚愕の秘密!10万人モニター調査

文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授

 さらに、トップバリュセレクトの中には地域限定の商品もあります。NBは一般に日本中の消費者を対象とします。そのために、まず日本に点在する大小さまざまな小売店に扱ってもらわなければなりません。こうした状況において、個性あふれる尖った商品の展開は難しく、誰も文句を言わない無難な商品づくりに陥りがちです。また、マス広告によるイメージアップも重要な課題となります。しかしながら、地域限定商品の場合は、特定の地域にあるイオンに来る消費者を対象とした商品づくりが可能になります。

 また、高品質ブランドであるトップバリュセレクトでは低価格を訴求する必要がないため、中間マージンのカットや広告展開を行わないことにより削減したコストを、高品質の素材や手間のかかる製法などに転用することができます。これまでのPBは削減したコストにより、売価を下げるという考え方でしたから、まさに逆転の発想と呼べるでしょう。

 一方、メーカーにおいても、こうしたプレミアムPBへの着手は、通常のPBへの着手と比べて企業イメージの向上となり、さらに自社では展開しにくい尖った商品への消費者の反応を確認しながら、NB商品の開発に生かすというマーケティングリサーチの効果もあるようです。

 インタビューを終え、当初の疑問は吹き飛び、なるほどPBだからこそ高付加価値の商品が生まれるケースもあると強く感じた次第です。
(文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授)

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、神奈川大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

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