テクノロジー系ニュースサイトの「Neowin」は8月3日時点で、Windows 10をインストールしたPCの台数が全世界で1850万台を突破した模様だと伝えている。なお、「すでにWindows 10が6700万台にインストールされている」 との情報も飛び交っているが、Neowinは否定的な見解を示している。いずれにしても、世界中でアップグレードしている人は順調に増えているとみることができる。
事前予約をしていても即日配信されるわけではなく、混雑具合などを調整しながら数日から数週間かけて配信されることになっている。なかには自動アップグレードを待たずに手動でアップグレードにチャレンジした人もいるだろう。アップグレードした方々は、その結果に満足しているだろうか。
意外に「そのまま」使えるアップグレード
Windows 7やWindows 8.1が入っているPCにWindows 10を直接ダウンロードし、上書きするかたちでアップグレードした場合、かなり元の状態を生かした状態で使える。たとえば、タスクバーを細く、アイコンを小さくするといった設定をしていた場合、そのまま引き継がれる。また、各種アプリケーションの「最近使ったファイル」のリストや、ブラウザで開いたままにしていたタブ、ブラウザに保存されていた各種IDなどもそのままになっている。
アプリケーションのなかには、Windows 10に対応せず動かなくなるものもあるかもしれないが、逆にWindows 7では正常に動かなかった古いアプリが動くようになるなど、予想外なアップグレード効果がある。
Windows 8/8.1で非常に不評だったスタート画面が廃止され、Windows 7までのスタートボタンの機能にスタート画面に並んでいたタイルを付属させるなど、ユーザーの意見にうまく歩み寄った感じのデザインは、よい落としどころといえるかもしれない。
しかしWindowsアップデートに関して細かな設定ができなくなっていたり、一部のアプリが動かない、周辺機器のドライバが提供されない、銀行等のオンラインサービスが非対応など、微妙な部分もある。ハードウェアスペックによっては鈍重さを感じる人もいるだろう。入れてはみたものの使い続けるのはストレスだと感じている人は、1カ月以内であればリカバリーCDなどを使わなくても元のOSに戻すことが可能だ。
バックアップを利用して元に戻せるリミットは1カ月
Windows 10では、これまでコントロールパネルにまとまっていたような各種設定が「設定」というメニューに一部分離されている。この中に「更新とセキュリティ」という項目があり、ここからWindows 7やWindows 8/8.1へ戻す作業が簡単に行える。
「回復」メニューの中にある、「旧OSに戻す」という項目の「開始する」ボタンを押した後、画面の説明に従うだけで元のOSに戻すことができるのだ。
作業を進めていくと、「以前のバージョンに戻す理由」を聞かれ、これに答えることで回復できる。1カ月以内なら回復できるということは、アップグレードする際に通知されるわけではないので、気をつけておきたい。また、しばらく使わないでいると、Windows 10の良い点や悪い点を見極められないうちに期限を迎えてしまいかねない。かといって、重要な作業をする時期には、アップグレードは避けたほうがいいだろう。OSのアップグレードでは、思わぬトラブルが発生することもあるので、時間に余裕がある時に行うことをお勧めする。
(文=編集部)