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雨宮寛二「新・IT革命」

グーグルマップ、「もはやこれなしでは生きられない」領域へ どこまで進化する?

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サイト「グーグルマップ」
 グーグルのインターネット検索・広告事業は、同社の多くのウェブアプリケーションと連動して、コア・コンピタンスを形成している。その中でもグーグルマップは、貢献度の高いウェブアプリケーションのひとつであろう。なぜなら、グーグル検索のキーワードの約20%が「場所」に関連しているからである。

 グーグルマップは2005年2月にサービスを開始したが、それ以前にもネット上の地図サービスは存在した。ただ、それらは、地図自体が大雑把につくられているばかりか、スクロールするたびにクリックしてページ全体をリロード(再読み込み)しなければならなかったため、必ずしも利用しやすい実用的なものであるとはいえなかった。

『アップル、アマゾン、グーグルのイノベーション戦略』(雨宮寛二/エヌティティ出版)
 だがグーグルマップは、Ajax(Asynchronous JavaScript + XML:ウェブブラウザ上で非同期通信を利用してインターフェイスの構築を行う技術)の利用により、リロードせずにブラウザ上でインタラクティブかつ自由に地図を動かし、拡大縮小させることができたため、競合との差別化を図ることができた。

 この「Ajaxによるクリック・ドラッグする技術」をベースに、グーグルはその後、グーグルマップに従来単独で存在し機能していた「ローカル検索エンジンによる検索技術」や「位置確認のためのGPS(全地球測位システム)技術」、さらには「衛星写真を閲覧できる技術」を次々と実装して、ひとつのサービスとして利用できるようにした。

 グーグルは競合他社に先駆けて、こうした技術的な組み合わせを発想し実用化することで、グーグルマップという革新的なサービスを創出するに至った。その結果、グーグルマップは今や200万以上のサイトが採用し、毎月10億人以上が利用するまでになった。

死角


 だが、こうしたグーグルマップにも死角がないわけではない。例えばオフラインでの操作性の向上は、今後のグーグルマップの課題のひとつであろう。この点についてグーグルは、すでに次なる一手を打ちつつある。

 それは、事前に地図データを自宅などでダウンロードしておけば、オフラインの場所でもGPSを使い、目的地の検索などが利用できるといった新たな機能である。グーグルは15年内をメドに、この機能をスマホ向けに追加する意向である。

 グーグルマップはサービス開始以来、今年で10年の節目を迎えることになるが、その伸びしろは無限であろう。イノベーションは身近なものから起こる。日常生活において何気なく利用しているサービスが、気づいてみると暮らしの中に浸透し、もはやこれなしではいられない必要不可欠なアイテムとなっていることがある。まるでそれが以前から存在していたかのように思えてしまうのである。グーグルマップは、すでにその領域に達しつつある。
(文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員)