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東芝、債務超過の懸念広まる ひた隠す「爆弾」、新たに数千億円規模の損失懸念も

文=編集部
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東芝、債務超過の懸念広まる ひた隠す「爆弾」、新たに数千億円規模の損失懸念もの画像1東芝の事業所(「Wikipedia」より/Waka77)
 不正会計問題に揺れる東芝が、債務超過に陥る危険性を指摘する声が広まっている。

 問題を調査するため当社が設置した第三者委員会は、「過去5年間で1500億円超の利益が水増しされていた」と報告したが、このなかには米原子力大手ウェスチングハウスの償却費用は含まれていないからだ。業界内では「償却費用と損失額を処理すると債務超過に陥るのではないか」との指摘が出ており、東芝としては今後の巨額の損失計上に備えるため、緊急の大規模増資に踏み切る検討を始めた模様である。8月31日には決算発表の再延期を発表、混迷の度を一層深めている。

 外部の弁護士らで構成される第三者委員会によると、東芝の歴代社長は利益を意図的にかさ上げするため、各事業部門に「チャレンジ」と称する過大な利益達成を求めた。その結果、必要な経費を計上しない不正な会計操作が広がった。責任をとって田中久雄社長と佐々木則夫副会長、西田厚聰相談役の歴代社長が辞任した。

 報道では東芝の利益水増し額は「1500億円超」とされている。しかし、これが正しく東芝の窮状を反映しているかといえば、関係者はこう指摘して否定する。

「1500億円超というのは、あくまで会計操作による利益のかさ上げ分にすぎません。東芝は9年前、当時の西田社長が主導してウェスチングハウスを6300億円で買収していますが、この償却費用は会計処理されていないのです」

 11年の東京電力福島第一原発事故を受け、世界的に原発の新設が停滞している。これに伴って、ウェスチングハウスの簿価も大きく低下した。これを時価評価すると、数千億円規模の損失を新たに計上する必要がある――と指摘されているのだ。

「利益水増し分に加え、巨額買収に伴う償却費用を合わせると、東芝の自己資本が大きく低下して債務超過に陥ってしまう恐れは否定できない」(業界関係者)

 東芝はすでに関係会社株などの資産売却計画を公表しているが、関係者の話では、大規模な増資によって自己資本を高め、巨額な損失計上に備える必要があることを判断している模様だ。

「その場合、東芝が所属する三井グループを中心に新株を割り当てる方向になるでしょう。大手重機メーカーのIHIが業態も近く、最大の引き受け手になるでしょう」(同)

 一方で、大規模な増資を実施するとなると、1株あたりの利益が希薄化するために株価は下落、一般株主の反発を招くことは避けられない。一連の不正会計問題が発覚して以来、東芝の株価は大きく下がり、米国で株主が損害賠償を求める動きも出ている。東芝社内からは「これ以上、株主に負担はかけられない」との悲鳴も出ており、同社は難しい対応を迫られることになりそうである。
(文=編集部)

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