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大前研一が監修する、日本企業が不得意な“大局観”を持つために必要な視点・考え方

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※画像:『プロフェッショナル シンキング』(大前研一/監修、ビジネス・ブレークスルー大学/編、宇田左近・平野敦士カール・菅野誠二/著、東洋経済新報社/刊)

 ロジカル・シンキング、問題解決、仮説思考などなど、書店のビジネス書コーナーには、このようなタイトルの本が多く並んでおり、その中にはベストセラーとなった書籍もあります。

 しかし、これらの本を読んだからといって、すぐに問題解決能力を身につけ実際のビジネスに応用できるようになるとは限りません。この悩みを抱えている人は多くいるようで、大前研一氏が学長を務めるBBT(ビジネス・ブレークスルー)大学に入学を目指す人からは、「本で得た知識や理論を、実際の業務に活かすことが出来ない」という悩みの声が多く寄せられているといいます。

 『プロフェッショナル シンキング』(大前研一/監修、ビジネス・ブレークスルー大学/編、宇田左近・平野敦士カール・菅野誠二/著、東洋経済新報社/刊)は、BBT大学の教授陣がそうした悩みに答えるべく執筆した本。大きく3部構成に分かれた本書から、「市場の未来を見通す思考力」について紹介します。

■変動の時代を乗り切るために大局観を持つ

 私たちが生きている21世紀は変動の時代であり、世界がどのように動いていくかを見極めるのは不可能なように思えます。しかし、「歴史は繰り返す」という言葉が示すように、実は今起きている変化も過去から続く時代の流れの中にあるものです。

 現在は、エアビー・アンド・ビーやウーバーなどのサービスに代表される、シェアリングエコノミーが今注目を浴びており、ニュース記事などでは「シェアリングという新しいビジネス」という言葉を目にすることもあります。しかし、実はシェアリングエコノミーは突然現れたものなく、かつて日本でも、隣近所同士で醤油などの調味料を貸しあったり、複数の家庭で一台の固定電話を共有していたりしました。

 シェアリングという共有経済は別段新しいものではなく、その姿を少し変えて現代に再び登場しています。このように、過去から現在へとつながる「大局観」を持つことで、今発生している新しい動きを落ち着いて捉えることが可能となり、未来を予測することができるようになるのです。

■ある程度予測できる未来を読む

 前述の通り、過去から現在へとつながる大局観を持つことで、未来を見通すヒントを得ることができるはずです。でも、いきなり「大局観を持って未来を見通せ」と言われても、具体的にどう予測すればよいかは分かりません。そこで、まずは未来を2パターンに分けることをすすめます。

 その2パターンとは、1つが「ある程度予測できる未来」、もう1つが「新しく創り出す未来」です。

 ある程度予測できる未来として考えられる例としては、「人口構造の変化」があります。少子高齢化が進んでいる日本は、このままいけばさらに高齢者の数は増え子どもの数は減っていきます。となると、いったいどの年齢層をターゲットとした事業を展開すべきでしょうか? 10代向けのビジネスのマーケット規模が縮小し、高齢者が増えることで、高齢者向けのビジネスのマーケット規模は拡大すると考えることができますよね。