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垣田達哉「もうダマされない」

財務省の姑息な策略 国民生活を破壊、欠陥だらけで破綻した消費税還付案の「狙い」

文=垣田達哉/消費者問題研究所代表

 流通業(小売店や飲食店等)が最も避けたいことは、客(消費者)との接点での「煩雑さ、複雑さ、トラブル」である。その接点のほとんどが、金銭の受け渡し時(レジ等の支払い時)なのだ。ところが、マイナンバーカード利用案では、レジでのこのトリプルパンチが計り知れないほど流通業に大きな負担を与えることになる。

煩雑さがレジ待ち時間を長くする

 レジで、客がマイナンバーカードを財布から出し、スキャナーに当てる行為は、簡単で時間もかからないように見えるが、意外と手間がかかる。駐車場から出る時に駐車料金が無料であっても駐車券をどこからか取り出し、読み取り機械に入れて遮断バーが上がるまでと同じようなものだ。

 しかも今のレジでは、ポイントカードやクレジットカードなどのカードを読み取ることが多い。そこに、マイナンバーカードが1枚増えることになる。財布からマイナンバーカードを出すという作業は、そんなに簡単なことではない。

 もちろん、レジ待ちの間に事前にカードを出して用意する人もいるが、大事なカードだから自分の番が回ってくるまでは財布の中に入れておきたいという人もいるだろう。レジの支払い時になって探す人も出てくる。複数枚のカードを取り出さなければならないので、誤ってカードを落とす人も出てくる。レジの時に探す人が10人のうち1人、マイナンバーに限らずなんらかのカードを落とす人が100人のうち1人いれば、そこで数秒間はレジ待ち時間が長くなる。数秒間で済まないこともある。

スキャンすることも意外と煩雑で複雑

 客側がマイナンバーカードをスキャンする場合は、慣れない人だとスキャンしたかどうかがわかりづらく、何度もスキャンする人が出てくるだろう。客にスキャンさせるのは、店側も客にとっても時間がかかるので良い方法とはいえない。

 では、店側がスキャンすれば簡単かというと、それでも結構時間がかかる。店側がスキャンする場合は、客からカードを受け取り、スキャンして客にカードを返すという行為をしなければならない。受け取りに1秒、スキャンに1秒、返却に1秒かかれば、それだけで3秒かかることになる。今までのレジ時間に、最低でもプラス3秒上乗せされることになる。

 大切なカードだから、客が財布に収めるのも慎重になる。そこにクレジットカードなども利用すれば、カードを1枚ずつ財布から出し、1枚ずつ戻す行為は、さらに時間がかかる。客がカードを落とすようなことがあれば、拾う行為の時間もかかる。

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

1953年岐阜市生まれ。77年慶應義塾大学商学部卒業。食品問題のプロフェッショナル。放射能汚染、中国食品、O157、鳥インフルエンザ問題などの食の安全や、食育、食品表示問題の第一人者として、テレビ、新聞、雑誌、講演などで活躍する。『ビートたけしのTVタックル』『世界一受けたい授業』『クローズアップ現代』など、テレビでもおなじみの食の安全の探求者。新刊『面白いほどよくわかる「食品表示」』(商業界)、『選ぶならこっち!』(WAVE出版)、『買ってはいけない4~7』(金曜日)など著書多数。

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