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破綻リゾートを次々と奇跡の再建…異端児・星野リゾートの豹変 「都市」へ殴り込み

文=編集部
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星野リートの上場

 星野氏は資金調達を目的にホテル・旅館に特化した不動産投資信託(REIT)を立ち上げた。13年7月、星野リゾートの100%子会社である星野リゾート・アセットマネジメントが運営する星野リートが東京証券取引所REIT市場に上場した。再生した物件をREITに売却して資金を調達し、運営する施設の数を増やすのが狙いだ。

 REITは投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなどの不動産を購入し、そこから得られる賃貸収入や売却益を投資家に配当する投資信託である。

 星野リートは星野リゾートが経営する純和風の高級旅館「星のや」や温泉旅館「界」、リゾートホテル「リゾナーレ」の不動産に投資した。同法人の15年4月期(14年11月~15年4月、年2回決算)の営業収益(不動産賃貸収入)は前期比2.3%増の15億9900万円、当期純利益は2.6%増の7億3300万円。利益は全額を分配金に充当した。保有資産は30件、337億円(15年4月末現在)。

 星野リゾート以外の物件の取得も積極的に進めている。14年に米投資ファンド、ローンスターからロードサイド型ホテル「チサンイン」(21物件)を取得した。15年4月期の星野リートの賃貸収入はロードサイド型が5億9000万円で、ビジネスホテルが星野リゾートに続く経営のもう一本の柱に育ってきた。

 勢いに乗り、15年5月から6月にかけて「カンデオホテルズ(5物件)、「コンフォートホテル」(3物件)を合計72億円で取得。そして今回買収したANAクラウンホテルズの4物件も、星野リートが投資家を募って取得することになる。

「都市」へ進出

 星野リゾートはこれまで、本拠地の軽井沢をはじめ箱根、熱海、京都などの景勝地で、富裕層を狙った高級旅館を運営してきた。その象徴が16年にオフィス街の東京・大手町に開業する温泉付きの純和風高級旅館「星のや 東京」だ。東京を訪れた外国人の「東京には温泉を楽しめる日本旅館がない」という不満の声にこたえた。

 星野リゾートはなぜ、都市型ホテル事業に乗り出すのか。星野社長は7月28日付日本経済新聞電子版のインタビューで、「観光客が温泉地の旅館から都市部のホテルにシフトしている」と危機感を口にした。星野リゾートが独自に調べたところ「ビジネスホテルの利用者の5割超は観光客だった」という。

 そこで、ロードサイド型ビジネスホテル「チサンイン」を買収したのに続き、地方都市に立地するシティホテルを取得したというわけだ。今後は仙台や名古屋、札幌でのシティホテルの経営を検討すると語っている。

BusinessJournal編集部

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