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降格、賃下げ…こんな管理職は切り捨てられる!いつまでも昇給できない若手たち

文=城繁幸/人事コンサルタント
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役職を問わず、構図は同じ

 このことは、リスクというモノサシを基準に考えるとよくわかります。株主から厳しく責任を問われる経営陣は最もリスクが高く、それに比例して報酬も高いという話は前述しました。

 中間管理職についても、年功でポストにぶら下がっている人は切り捨てられ、逆にきちんとポストにふさわしい職責を果たせる人はこれまで以上に遇されることになると述べました。

 一般従業員についても構図はまったく同じです。裁量労働や年俸制などで、成果を追求するというリスクをとっている従業員は、そのリスクにふさわしい処遇が用意されることになります。一方で、成果なんて関係なしに、働いた時間に応じて給料が支払われる人は一切リスクを負っていないわけで、組織としては最も低い処遇に抑えねばならないわけです。

 逆に考えてみましょう。あなたが事業責任者として、2人の部下を抱えているとします。A氏は裁量労働制で時間管理を外れており、純粋に成果に対してのみボーナスが支払われます。一方のB氏は「成果なんかわたしは知らない。そんなのは経営側の問題だ。わたしはとにかく机に座っていた時間だけお金が欲しい」といって裁量労働を拒否しているとしましょう。両者とも基本給は同じ50万円とします。

 A氏は一生懸命がんばったけれど、たまたま結果が出ずに今月の給料は50万円です。一方、B氏はそんなことはお構いなしにマイペースで仕事を続け、残業代込みで今月の給料は80万円となりました。誰がどう考えても、この状況はアウトですね。

 普通の企業であれば、リスクを取っている人の基本給は最初から高めに80万円くらいにして、リスクを拒否している人の給料は30万円くらいに抑え、後者がいくらダラダラと残業しても前者に勝てないような状況にセッティングするはずです。

 筆者自身、賃金制度としては、そういう方向で提案しています。成否はともかく、とりあえずチャレンジしようとする姿勢に報いる人事制度でないと、その企業は間違いなく衰退することになるからです。

 ひょっとすると、読者の中には「日本企業で大幅な賃下げは難しいのではないか」と感じている人もいるかもしれません。実際はその通りで、すでに昇給している人は、あまり大きくは下がらず、逆にこれから昇給する立場にある若手に対して「昇給させない」というかたちで、実質的に賃下げが実現されることでしょう。
(文=城繁幸/人事コンサルタント)

※本稿は、城繁幸氏のメルマガ「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」から抜粋・編集したコンテンツです。

【筆者プロフィール】

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●城 繁幸:人事コンサルティング「Joe’s Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。
ビジスパにて、メルマガ「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」を配信中。
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