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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

セブン-イレブン、調べれば調べるほど圧倒的強さの秘密が見えてきた

文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授

 さらに、併せてトップバリュの中でも低価格路線のベストプライスを中心に揃えるという提案もありました。通常、NBはPBより高価格のため、NBに注力するという今回の提案ではカバーできなくなる低価格志向の消費者に向けた施策です。

 日本の流通業界において、イオンより規模の経済で勝るグループは存在しません。ベストプライスより低価格のPBを取り揃えるというのは、ほかのコンビニにとっては難しいのが現実です。

すでに実践していたココ

 こうした2つの提案に、筆者は「なかなか、いいのではないか」と感心しました。

 しかしながら、ファミマに買収されるココの特徴は、店内で調理する弁当と焼きたてのパンであり、NBもすでに充実していました。NBについては、「事業規模の関係で、PBに注力できなかった」というほうが正しいかもしれません。

 つまり、ココはすでに学生たちの提案を実践していたともいえるわけですが、経営状況が芳しくなく、買収されることになってしまいました。店舗は順次、ファミマに転換していくようですが、名古屋の愛好者の間には、ココの焼きたてパンや弁当、家庭的な雰囲気を惜しむ声も少なくありません。

 今回、紹介したようなセブンとの差別化戦略は、非常に興味深いものです。ココでは店舗数など事業規模の関係でうまくいかなかったと思われますが、ココの一ファンとして、ファミマもぜひ検討してほしいと思います。
(文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授)

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、神奈川大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

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