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ハリウッド次世代の旗手が描く、『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』の底知れぬ凄み

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 僕らはJ・C・チャンダー監督という途方もない才能に対し正当な評価を下すべき重要な時期に差し掛かっている。弱冠41歳。手掛けた長編映画もまだ3本に過ぎない。しかしどうだろう。彼は一作ごとに確実に観客の心を射抜き、ハリウッド次世代の旗手としての階段をひとつ、またひとつと昇ってきた。とりわけ最新作『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』は、巨匠の風格さえ漂う重厚作に仕上がっている。

次世代の旗手、チャンダー監督の軌跡

 まずは彼の監督作を簡単に振り返っておこう。一作目の『マージン・コール』(2011年)は世界中がその波に飲み込まれた金融危機の、最初の着火点とも言うべき大手投資銀行を舞台にした緊迫感みなぎる金融ドラマ(日本では劇場公開されず、DVDスルー)。とりわけケビン・スペイシー、ザッカリー・クイント、スタンリー・トゥッチ、ポール・ベタニー、デミ・ムーア、ジェレミー・アイアンズという錚々たる顔ぶれを、新人監督のチャンダーが見事なまでに堂々と采配してみせた点は信じ難いものがあった。

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