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会社を辞める男とスズメになる女の巡り合いーー『バードピープル』が描く“映画的な奇跡”とは

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【リアルサウンドより】

 アナイス・ドゥムースティエがスズメになって空を駆け巡るシーンで、突然「Space Oddity」が流れる。1969年に発表された、デヴィッド・ボウイ初期の代表曲となるこの曲は、どういうわけか近年あらゆる映画で多用されている。一昨年日本でDVDスルーとなったキケ・マイーヨの『EVA<エヴァ>』(2011年)を皮切りに、同じ時期に劇場公開されたベルナルド・ベルトルッチの『孤独な天使たち』(2012年)ではイタリア語版である『Ragazzo Solo, Ragazza Sola』が使われ、ベン・スティラーの『LIFE!/ライフ』(2013年)、フルーツ・チャンの『ミッドナイト・アフター』(2014年)と続き、わずか3年間に日本に上陸した洋画の中で5本。しかもすべてが違う国で作られているのだから、ただの流行というわけではなさそうだ。

 宇宙空間に投げ出された宇宙飛行士トム少佐が、地球への思いを馳せるこの歌は、明確に孤独を歌っているのだと、『ミッドナイト・アフター』の中で解説を繰り広げた登場人物が歌い出すシーンがあったことを思い出した。前述したイタリア語版の『Ragazzo Solo, Ragazza Sola』は舞台を街の中に移し、行き場のない少年少女が夜を彷徨う姿が歌われており、『孤独な天使たち』で二人の主人公がこれを聴きながら踊るシーンは、彼らの心情を映し出す重要なシーンとして、涙なしでは観られない名場面になっていた。この流れを鑑みると、必然的に『バードピープル』もまた、〝孤独〟な者たちを描いた映画であるとみて間違いない。

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