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春画掲載で編集長処分の「週刊文春」、刑法上の犯罪に該当の可能性も

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文藝春秋の社屋(「Wikipedia」より/Lombroso)
 10月8日、文藝春秋は「週刊文春」の編集長を3カ月間休養させることを発表した。10月1日発売の同誌では「空前のブーム到来!春画入門」として、男女の性風俗を描いた浮世絵「春画」に関する記事および画像を掲載しているが、これが同社内で問題視されたという。

 同社広報部は、「春画に関するグラビア記事について、編集上の配慮を欠いた点があり、読者の信頼を裏切ることになったと判断した。週刊文春編集長には3カ月の間休養し、読者の視線に立って週刊文春を見直し、今後の編集に生かしてもらう」とコメントしている。

 しかし、2013~14年にイギリスの大英博物館で開催された「春画 日本美術の性とたのしみ」では、9万人もの来場者を記録するなど、春画は世界的に認められた芸術として知られている。そのため、今回の処分はマスコミ関係者の間で早くも物議を醸している。

刑法175条の犯罪に該当の可能性も


 週刊誌が春画を掲載することに法的問題はあるのだろうか。弁護士法人AVANCE LEGAL GROUP LPCの榎本啓祐弁護士は、以下のように解説する。

「刑法175条は、『わいせつ物頒布等』に関する罪を定めています。当該条文では『わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、公然と陳列した者』について、2年以下の懲役や250万円以下の罰金、科料という刑を定めています。

 春画がわいせつな物に該当するのであれば、週刊誌への掲載は犯罪に該当し得る行為となります。わいせつな物か否かの判断ですが、最高裁判所ではわいせつについて、(1)いたずらに性欲を興奮または刺激させ、(2)普通人の正常な性的羞恥心を害し、(3)善良な性的道義的観念に反するもの、としています」

 いわゆる成人向けのビデオや雑誌は、モザイクなどにより適切な処理がされている場合は、基本的にわいせつ性は認められないという。ただし、その処理が容易に外せる場合や、モザイクが薄い場合などはわいせつ物に該当する可能性もあり、その判断は難しい。

 では、今回問題になった春画についてはどうなのだろうか。

「過去の裁判例では、喜多川歌麿や歌川国貞などの著名な浮世絵師による春画の紹介および解説を内容とする映画フィルムについて、わいせつ物と認めたものがあります。同判例は、浮世絵春画が男女の性行為を描写したものであることや、性器の状態が明瞭に描き出されていることなどを考慮し、『優れた絵師の技をもって、見る者の好色的興味に訴えることを意図して制作されたものであり、時代を隔てた今日でも、その意図は損なわれていない』として、わいせつ性を認めています。