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雨宮寛二「新・IT革命」

アップル、「世界中の企業の仕事のやり方を変える」計画が本格始動

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アップルのiPhone
 9月29日に米国サンフランシスコで行われたカンファレンス「BoxWorks15」において、米アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)が米ボックスとのエンタープライズ市場における戦略強化について語り、アップルの進むべき方向性が、依然として従来製品の改良や改善であることが鮮明となった。

 ここ数年、アップルはエンタープライズ市場の開拓を重要な戦略と位置づけ、さまざまな施策を試みてきた。なかでも、2014年7月に発表された米IBMとの提携は、アップルにとって、従来コンシューマ市場にあった軸足をエンタープライズ市場に移す大きな転換点となった。

 以来アップルはエンタープライズ分野におけるIBMの知見を活かして、小売りや金融、保険、さらにはヘルスケアなど、それぞれの業界に特化したエンタープライズ向けアプリケーションの開発に注力してきた。

『アップル、アマゾン、グーグルのイノベーション戦略』(雨宮寛二/エヌティティ出版)
 こうした専門的なアプリケーションの開発は、「iOS」のプラットフォーム上で優先的に進められ、オープンクラウドサービスからアシスタントサービスに至るまで幅広くエンタープライズ向けの機能として整備されていくことになる。

 そもそもアップルのOS戦略はモバイルとPCの別建てで開発が進められてきた。戦略的にいえば、それはマイクロソフトのWindowsと対峙するものである。

 今回のカンファレンスにおいてクックCEOも述べているように、モバイルとPCそれぞれでOSの開発を進めることは双方からの気づきを享受できるというメリットがあることから、アップルとしてはそれぞれに注力して開発を進めているが、その一方で常にデバイス間での移行についても意識している。つまり、アップルでは、移行や互換性を見据えた別建てのOS開発戦略が採られているというわけである。

崇高な理念


 IBMとの提携により、やがてiOSのプラットフォーム上で、エンタープライズ向けアプリケーションの開発が進んでくると、今度は米シスコシステムズとネットワークの最適化で提携を果たすことになる。

 この提携は、iOSデバイスのさらなる効率的な稼働を目的とするものであるが、iOSのデバイスとソフトウェアのエンタープライズ領域での専用かつ最適なネットワークを構築することが優先的な課題となる。

 これらの提携により、今ではiOSプラットフォーム上でのエンタープライズ市場の攻略は着実に進みつつある。米誌「フォーチュン」によれば、世界500以上の企業のなかでiPadはすでにシェア90%を超えている。