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「安くない」ユニクロの失速 値上げラッシュで客数減を補う

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撮影=編集部
 ファーストリテイリングの株価が決算悪を嫌気されて、10月9日に一時、4930円安(10%強の下げ)を記録した。終値は4740円安の4万3900円。7カ月半ぶりに4万4000円を割り込んだ。

 米国事業の不振長期化に加えて、屋台骨の国内のユニクロ事業も足踏み状態。既存店売り上げは製品の値上げでプラスは確保したものの、来客数の減少が続いている。東南アジアでは強みを発揮しているが、米国ではブランドの認知度が上がらず、特に郊外の店で苦戦を強いられている。過去に買収したブランドも低調で、この結果、15年8月期には米国で33億円の減損を計上した。

 米国については「事業・経営の水準が低い」(柳井正会長兼社長)として日本から人材を投入したが、米国のユニクロ事業に不透明感が強まっている。「出店政策を都市に集中して、Eコマース(電子商取引)の販路の強化を進める」(同)が、成果が上がるまでには時間がかかりそうだ。

 国内に目を転じてみると、10月2日に発表された9月の既存店売り上げは2.6%増とプラス成長は維持したが、同業他社は2ケタ(10%以上)伸ばしており、見劣りする。来客数は4.2%減と、4カ月連続で前年割れとなった。柳井氏は8月の決算説明会で「ファッションの変化を捉えられなかった。その結果、ほとんどのコア商品で欠品が起きた」と分析した。夏物在庫の処分が利益を圧迫した側面もある。

 6~8月期の国内のユニクロ事業の営業利益は35億円。天候不順が足を引っ張り、Tシャツなどで欠品が出て、来店した顧客のニーズに即応できなかった。10月以降は、平均10%の値上げに踏み切った秋冬物商戦が本格化する。昨年も秋冬物を平均5%値上げしており、2年連続となる。商品の価格は、13年当時に比べて15%前後高くなっているわけだ。

 実質賃金が伸び悩み、消費者のサイフの紐は一段と締まっている中で、「安くない」ユニクロはどうやって苦境を乗り切っていくのか。昨年は値上げを乗り切ったが、今年は値上げの影響が大きく出る懸念も指摘されている。

ネガティブ・サプライズ


 こうした「内憂外患」の結果、15年8月期の連結営業利益は計画の2000億円に対して1645億円(前々期比26.1%増)となり、約2割下回った。16年8月期の連結営業利益の目標は2000億円。前年度の予想とまったく同じだ。今期の会社側の予想は、市場の期待を大きく下回っている。