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徳岡晃一郎「世代を超えたイノベーションのために」(10月16日)

もうスペシャリストは役に立たない?どんな難題も解決に導く「究極の思考法」

文=徳岡晃一郎/経営コンサルタント、多摩大学大学院研究科長

現代に必要なスーパージェネラリスト

 いわゆる普通のジェネラリストは、いろいろな解法を知っているので、限定された問題解決には役に立つかもしれない。しかし、今の時代は、未来の地球、未来の自社の姿やビジネスをどのように設計するのかが問われている。本当の問題がなんなのかを決めること、つまり、課題設定が重要な時代なのだ。

 例えば、原発問題にしても、すぐにすべての原発を廃炉にするわけにはいかないということは、多くの人が理解している。では、原発問題はどこに着地させればいいのだろうか。これは、技術的な問題だけでは解けないし、各分野の専門知識を横断的に論じても、未来を描き出すことはできない。

 そこで重要になってくるのは、専門的な知識を持ったスペシャリストではなく、横に幅広い知識を持ったジェネラリストでもない。縦に幅広い知識を持った人材である。課題設定力から課題解決力までの深さが重要であり、それを兼ね備えるのがスーパージェネラリストだ。

 そして、縦の知識幅が分厚く、それぞれの思考を統合して考えるのが、垂直統合の思考である。次回は、この垂直統合の思考の具体的な中身について考えたい。
(文=徳岡晃一郎/経営コンサルタント、多摩大学大学院研究科長)

徳岡晃一郎/経営コンサルタント、多摩大学大学院研究科長

徳岡晃一郎/経営コンサルタント、多摩大学大学院研究科長

ライフシフトCEO
多摩大学大学院教授、研究科長、フライシュマンヒラード・ジャパン シニア・ヴァイス・プレジデント、多摩大学社会的投資研究所所長

1957年生まれ。東京大学教養学部卒業。オックスフォード大学経営学修士。日産自動車人事部、欧州日産を経て、99年フライシュマン・ヒラード・ジャパンに入社。人事およびコミュニケーション、企業文化、リーダーシップなどに関するコンサルティング・研修に従事。2014年より多摩大学大学院研究科長、2017年ライフシフトを設立、CEOに就任。主な著書に『MBB:「思い」のマネジメント』(共著、東洋経済新報社)『未来を構想し、現実を変えていく イノベーターシップ』(東洋経済新報社)、『人事異動』(新潮社)、『ミドルの対話型勉強法』(ダイヤモンド社)、『人工知能Xビッグデータが「人事」を変える』(共著、朝日新聞出版社)、『しがらみ経営』(共著、日本経済新聞出版社)など他多数。
株式会社ライフシフト

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