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宇多川久美子「薬剤師が教える薬のリスク」

やっぱりインフルエンザワクチンは無意味?かえって重篤な副作用の恐れ

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「Thinkstock」より

「今年もインフルエンザが大流行」「新種が流行」「ワクチンが値上がり」「ワクチンが品薄でピンチ」――ここ数日、このようなニュースをよく目にします。

 インフルエンザワクチンは本当に安全なのか、本当に必要なのかをもう一度考えてみませんか。

 毎年、インフルエンザがはやる季節になると、「ワクチン接種(予防接種)はお早めに」というメッセージが流れます。学校や会社から通達されることもありますし、自治体の広報などにも呼びかけが載ります。

 そして、多くの人がワクチンを打ちます。特にお年寄りや乳幼児、妊婦などは、インフルエンザによって重篤化するリスクが高いとして、優先的にワクチン接種ができるようになっています。

 しかし、インフルエンザのワクチンにも重い副作用が出る危険性があります。報告されている副作用には、ギラン・バレー症候群(筋肉を動かす運動神経の障害のために、手足に力が入らなくなる難病)、肝機能障害、脳炎、ぜんそく、さらにはアナフィラキシー(全身に急速に現れるアレルギー症状)などがあります。

 そもそもワクチンとは、ウイルスなどの病原体を注射で体内に入れて、その病原体を攻撃する専用の抗体(免疫細胞の一種)をあらかじめつくっておく、というものです。

 しかし、注射した病原体が体内で増殖してしまっては意味がありません。そこで、ワクチンをつくる際には、病原体が体内で増殖しないように活性を抑える成分が必要になりますが、そこにホルマリンなどが使われます。

 有害物質が含まれていて、重篤な副作用の危険性がある上に、インフルエンザワクチンには「効くかどうかわからない」という根本的な問題もあります。

ワクチンでインフルエンザは予防できる?

 以前、朝のニュース番組でキャスターが、「うちは家族4人全員でワクチンを打ちましたが、2人はインフルエンザにかかっています。今年ははやっていますから、みなさん気をつけましょうね」と言っていました。朗らかに、当たり前のように。

 これって、どこかおかしくはないですか。

「ワクチン打ったのに、インフルエンザにかかったのです。かからないために打つのがワクチンではないのですか」と、怒るならわかります。しかし、そのキャスターが怒る気配は微塵もありませんでした。

 このような状況は、このキャスター一家だけではありません。筆者が薬局に勤務していた頃、インフルエンザにかかって処方箋を持って来る患者の半数は、ワクチン接種を受けた人たちでした。しかし、誰も怒ったりはしませんでした。

 インフルエンザにかかったということは、ウイルスの型が違っていて、ワクチンの効果がなかったということです。

 インフルエンザの型は、大きく分けるとA型、B型、C型の3種類ですが、A型だけでもさらに144種類の亜型に分かれています。

 一方、インフルエンザワクチンに含まれているのは3種類程度で、たとえばAソ連型(H1N1亜型)と、A香港型(H3N2亜型)と、B型といった組み合せになっています。当然、ワクチンに含まれている型以外のインフルエンザウイルスには効きませんし、しかもウイルスはすぐに変異します。

 変異は、ウイルスが分裂するときに遺伝子がミスコピーされることで起こります。人間の遺伝子(DNA)はあまりミスコピーが起こらないのですが、インフルエンザウイルスの遺伝子(RNA)はミスコピーが起こりやすく、その頻度は人間の1000倍の確率といわれています。しかも、インフルエンザウイルスは増殖スピードが速く、1個のウイルスが1日で100万個以上になるといわれているのです。

 こんなインフルエンザウイルスに、たった3つの型で対応しようとするのは、ほとんどギャンブルか宝くじのようなものではないでしょうか。

ワクチンを打っても症状が軽くなるわけではない

 筆者は、ワクチン接種で病院にお金を払い、さらにインフルエンザの治療でお金を払っても怒らない患者さんをたくさん見てきましたが、本当は「自分のしたことは無意味ではない。ワクチンを打ったのだから、たとえ感染しても軽く済む」そう思いたいから怒らない、というのが一番の理由かもしれません。

 筆者は、インフルエンザワクチンの接種は必要ないと思っていますが、唯一打ってもいいケースがあるとしたら、それは受験生です。人には、たとえ偽薬でも「効く」と思えば効くという、「プラセボ効果」があります。

「ワクチンを打ったのだから、受験当日までインフルエンザにはかからない」「人ごみに行っても大丈夫」「たとえ後ろの子が咳をしていても、うつらない」……。そのように自信を持てば、免疫力も上がります。

 ただし、「ワクチンを打ったのだから軽く済む」と信じて、インフルエンザにかかっているにもかかわらず学校や仕事に行くのは避けなければなりません。

 以前、こんなケースがありました。

 Aさんは医薬品会社の営業マンで、当然のことながらインフルエンザワクチンの接種をしていました。ところがインフルエンザにかかってしまい、上司に「A型インフルエンザと診断されたので、早退させてください」と申し出ました。すると、上司は「ワクチンを打っているんだから、大したことにはならない。マスクをして働け」と指示したのです。Aさんは仕方なく処方されたタミフルを飲み、マスクをして営業を続けたそうです。

 営業の相手は、まさか営業マンがインフルエンザだとは思いませんから、至近距離でも平気で会話をします。会う人会う人、みんな同様です。もしかしたら、インフルエンザをうつされた人もいるかもしれません。しかも健康な人をつくるサポートをするはずの医薬品会社での話です。

 ワクチンを打っても、インフルエンザが軽く済むわけではありません。タミフルは、インフルエンザウイルスの増殖を抑えますが、インフルエンザウイルスを殺してはくれません。無理をして働き続ければ、それこそ取り返しのつかないことになる可能性もあります。幸いAさんは若くて体力があったためか、長引きはしたものの重篤な状態になることはなかったそうです。

 インフルエンザにかかったら会社や学校は休んで寝る。それが最良の方法であり、広めないための最善の方法でもあります。

 また、インフルエンザの最良の予防法はワクチンを打つことではなく、日頃から疲労を溜めず、バランスのよい食事・適度な運動を心がけ、免疫力を高める生活をすることなのです。
(文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士)

●宇多川久美子 薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)など著書多数。

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