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創業家ボンボン社長の巨額背任事件が引き金!製紙業界で仁義なき壮絶バトル!

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大王製紙本社(「Wikipedia」より/アラツク)
 製紙業界4位の大王製紙と同5位で筆頭株主の北越紀州製紙のバトルが、どうやら最終章を迎えたようだ。

 北越切りを仕掛けたのは大王。9月1日、転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行で300億円を調達すると発表。紙おむつの生産設備などに充てるというのが名目だが、これを額面通り受け取る製紙業界の関係者は皆無だろう。

 CBは事前に決められた価格で株式に替えられる社債。株式に転換されると1株当たりの価値が下がり、既存の株主に不利益になる。発表後に大王の株価は3割程度下落した。

 大王株式の21.23%を保有する北越は大王に発行中止を求めた。大王は16日、臨時取締役会を開き、CBを予定通り発行することを確認。17日にCBを発行した。

 大王の意図は明白。CBがすべて株式に転換された場合、発行済み株式数は10%増える。その結果、北越の持ち株比率は18%台に下がる。北越が議決権ベースで20%以上50%以下の株式を保有していると大王は北越の持ち分法適用会社、つまりグループ会社と見なされる。大王はCBの株式転換を進めて、北越の持ち分法適用会社から外れることを狙っている。

株主総会を舞台にした大王と北越の壮絶バトル

 大王の佐光正義社長と北越の岸本晳夫(せきお)社長の因縁のバトルの発端は2011年にさかのぼる。大王では創業家の三代目、井川意高元会長による子会社からの巨額借り入れが発覚した。借入総額は165億円で、ほぼ全額をカジノでのバカラ賭博に使っていた。

 この事件を機に、佐光氏は創業家支配からの脱却を目指す。これに猛反発したのが意高氏の父親、井川高雄元会長である。ティッシュペーパー「エリエール」の生みの親で、大王の中興の祖といわれる人物だ。

 新聞用紙など主力事業を死守する会社側と、稼ぎ頭のエリエールなどの伸び盛りの事業を支配下に収めた創業家。大王は子会社、関連会社を巻き込み分裂の危機に立たされた。

 この時、助け舟を出したのが岸本氏だ。高雄氏は息子の借金の尻拭いをするため、保有株を北越に売却した。