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『ヴィジット』に仕組まれた重層的なトリック 奇才・シャマラン監督の試みを読む

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【リアルサウンドより】

 あまり多くのことを語りすぎると、せっかくのM.ナイト・シャマランの作家性を損なってしまいかねないのが難しいところである。とはいえ、やや躊躇しながらも、この『ヴィジット』という奇特な映画についての話を進めるにあたり、どうしても物語の核心に触れてしまうところが出てしまうかもしれないので、まっさらな状態でこの映画に臨もうとしている人には、ここで引き返すことをお勧めしたい。

 とはいえ、仮にネタバレを聞いてしまったとしても、映画の本質は損なわれないはずであるし、ある程度知っているとディテールに目が届くというメリットはある。それでもシャマランの映画はラストのサプライズを売りにしているだけに、できるだけ予備知識なしで一度目を観て、大筋を掴んだ上でもう一度観るのが良いだろう。売りであるラストよりも、それに至るまでのプロセスが驚くほど緻密に作られているのだから、もはやラストのドッキリのほうが、伏線のような役割を果たしているともいえよう。彼は近2作で箸にも棒にもかからない映画を作って世界中を失望させただけに、映画において、いやむしろシャマラン映画にとってのラストの重要性を再考させる良い機会を与えてくれたように思える。彼がスリラー映画のフィールドに還ってきたことは非常に嬉しい。

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