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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

遺伝子解析、本格普及始まる 個々人の病気予測やダイエット・美容にも効果的

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フリューダイムの独創、IFC(集積流体回路)
 女優アンジェリーナ・ジョリーが健康なのに両乳房の切除手術を受けたのは、自らの遺伝子解析により乳がんのリスクが高いと知ったからだ。

 ヒトの太り方には遺伝子により3つの類型があることがわかっている。洋梨型肥満、リンゴ型肥満、バナナ型肥満だ。これらの肥満類型は、実は糖代謝、脂質代謝、タンパク質吸収に関連する3つの遺伝子の組み合わせによって決定される。これらの遺伝子について自分の情報を知れば、効果的なダイエット法を選択できる。また、美容の分野でも、肌の状態は実は個々人の遺伝子によって大きく異なる。例えばコラーゲンを分解するmmpI遺伝子が変異してしまうとシワができやすくなる。

遺伝子解析サービスというユニーク・ビジネス


『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディアパブリッシング/山田修)
  個人の遺伝子情報に関する新しいビジネスがすでに始まっている。肌老化遺伝子検査ではドクターシーラボ、DHC、フラコラ、H&BPなどだ。病気にかかるリスクや体質、性格などを知ることができるとする遺伝子検査ではジーンクエスト、ディー・エヌ・エー、グーグル、ヤフー、ファンケルなどが参入している。検査料は1~5万円台と各社で異なる。

 これらの遺伝子関連ビジネスは、これまで行われてきた基礎研究での知見を基に広がりつつある新たな分野である。この基礎研究分野の発展は、さまざまな先端技術を持つ企業の貢献なくしては語れないが、現在注目を集めているのがフリューダイムという会社だ。遺伝子を分析する機器のメーカーである。

 私は10月に米サンフランシスコ郊外にある同社を訪問して、ガイウス・ウォーシントンCEO(最高経営責任者)と話す機会を得た。DNAを高精度かつ効果的に分析するには、組織標本を単細胞化した上で解析するというステップがある。同社がこの分野でデファクト・スタンダードだという。

「現在、シングル・セル(単一細胞)レベルでの遺伝子解析を行う機器やシステムを提供する企業としては、当社に競合はありません。単一細胞ごとでの分析は、例えばがんの発症メカニズムの解析や悪性診断などではとても有効な方法となります」(ウォーシントンCEO)

 従来は医療の基礎研究分野で多く使われており、日本では山中伸弥教授が率いる京都大学 iPS細胞研究所にも納入されているという。

「14年の売り上げは1億2000万ドル(約140億円)、ナスダックに上場した10年が3400万ドルだったので、毎年30%以上伸びてきました」(同)