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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

外食の揚げ物は超危険!発がん性や糖尿病誘発…危険な油使用

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 しかし、パーティー料理で揚げ物は人気メニューのひとつです。皆さん、よく召し上がります。それは、多くの日本人が油不足だからです。ただし、不足しているのは揚げ物などに使われる油ではありません。私たちの体には、生きていくためにどうしても摂り込まなければならない栄養素があります。それを必須栄養素といいますが、そのうちの2つは油なのです。

 正確に言いますと、必須脂肪酸です。それはオメガ3脂肪酸(アルファリノレン酸)と、オメガ6脂肪酸(リノール酸)です。この2つの脂肪酸は摂取バランスが重要で、おおよそ1:4、つまりオメガ3脂肪酸1に対してオメガ6脂肪酸4の割合で摂るべきだということがわかっています。

 そして現代の日本人は、圧倒的にオメガ3脂肪酸が不足しているという点が重要なのです。油はなんでもいい、というわけではありません。しかし、残念ながら大豆油にも菜種油にもコーン油にも、パーム油にも、オメガ3脂肪酸はほとんど含まれてはいません。もっとも、熱に弱く酸化しやすいオメガ3脂肪酸が含まれている油で揚げ物をした場合、危険すぎて食べるわけにはいきません。

オメガ3脂肪酸を意識して摂取しないと危険

 要するに、揚げ物に使われている油をいくら食べても、オメガ3脂肪酸不足は補えないのです。それどころか、摂取比率がどんどん悪いほうに傾いてしまい、より油不足が深刻になって体はさらに油を欲します。そしてまたオメガ3脂肪酸が含まれていない油を摂取するという悪循環に陥ってしまいます。結局、改善するためには積極的にオメガ3脂肪酸を摂取する以外にはないのです。

 オメガ3脂肪酸を多く含む食用油は、亜麻仁油、しそ油、えごま油、インカインチオイルなどですが、ご存じない方のほうが多いのではないでしょうか。私たちは、上記のような油を、加熱せずに摂り続ける必要があります。

 ちなみに植物油にはもうひとつ、オメガ9脂肪酸(オレイン酸)という種類もあり、これはオリーブオイルや椿油に多く含まれています。オメガ9脂肪酸は熱に強く、240度まで分解がおきないといわれていますので、家庭で揚げ物をつくるのに最も適しているのがこのオメガ9脂肪酸を多く含む油ということになります。普段から油の質に気を遣い、脂肪酸の比率をある程度考えながら食事をしたいものです。

 さて賢明な皆様、宴会の多くなるこの時期、揚げ物料理は“お付き合い程度”にしておきましょう。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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