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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

なぜマックの不祥事対応は裏目に出たのか? 失墜したブランド回復の難しさ

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マクドナルドの店舗
 横浜のマンション傾斜問題をめぐり旭化成建材の杭打ちデータ流用問題が連日報じられ、国外でもドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンがディーゼルエンジンの排ガス規制を免れるために不正を行っていた問題が世界を騒がせている。こうした大手企業による不祥事はたびたび起こるが、自業自得とはいえ企業も相当な痛手を被る。

 旭化成は問題発覚前後で株価が約2割下落しており、フォルクスワーゲンも不正問題に関する対策費が230億ユーロ(約3兆500億円)から780億ユーロ(約10兆3500億円)に上るといわれている。

 こうした不祥事によるブランド価値の失墜は、実質的な損害だけでなく、社会的信頼も著しく損なうことで経営基盤を揺るがす事態にも発展するが、そもそもブランドとはなんなのだろうか。立教大学経営学部教授・有馬賢治氏は、マーケティングの観点からこのように語る。

「そもそもブランドとは、本来自社商品と他社商品を区別するために商品に与えられた固有の記号で、古代ギリシアの壺や中世ヨーロッパのパンなどで独自のマークを付けて自身の作品や商品の品質を誇示していました。現代にも通じる話ですが、これがあることによって顧客は商品を識別できて覚えやすいだけではなく、品質に対する安心感を得ることができます」

 顧客の70%以上がブランドを購買意思決定の指針にするという調査結果もあり、いわゆるブランド力は商品を展開する上で大きな要素といえよう。しかし、今回の旭化成やフォルクスワーゲンのケースのように、社会的信頼のある企業がひとたび問題を起こせば、その知名度はかえってあだになってしまう。

「知名度は高ければ高いほどダメージが大きいと考えていいと思います。それはなぜかというと、ニュースとしての価値が高く関心を集めやすいことから、短期間で瞬く間に悪いイメージが世間に浸透してしまうからです。すると、いわれのない誹謗、中傷にもさらされるなどして売り上げ不振の負のスパイラルに陥ってしまい、経営への影響は中長期的なものになるとされています」(同)

信頼回復の難しさ


 では、ブランドを立て直すには一体どうしたらいいのだろうか。