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雨宮寛二「新・IT革命」

政府、抜本的「規制緩和」に着手 飛躍的に新技術の利活用が加速の可能性

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DJI社製ドローン「ファントム2」
 小型無人機(ドローン)や自動運転などの新技術の利活用を進めるため、障害となる規制の見直しや新たな規制づくりに各国が着手し始めている。日本でも11月5日に政府主導の下、官民対話が持たれ、今後研究開発投資が見込まれる成長分野の方針が示された。

 今般政府が規制見直しの方針を示したのは、ドローンや自動運転、人工知能を使った遠隔医療の3つで、いずれも実用化に向けた技術進歩が期待できる分野である。政府としては、これらの分野をあらゆるモノをインターネットでつなぐ(IoT)成長分野と位置づけ、政策面で後押ししていく方針である。

『アップル、アマゾン、グーグルのイノベーション戦略』(雨宮寛二/エヌティティ出版)
 ドローンの規制政策については、米国が早くから取り組んできた。米国では州レベルで規制する動きが加速化している。これまでに26州がなんらかのかたちで法規制を導入済みで、今年に入り17州で新たな法律が成立している。

 たとえば、テキサス州では、州議会議事堂など重要施設上空のドローン飛行を制限している。アーカンソー州やミシシッピ州では、のぞきを目的とした空撮や情報収集などが禁止されている。このように、米国でのドローン規制は、主に飛行領域や飛行用途の面から制限がかけられている。

 だが、これらの規制はいずれも「運用面での規制」であり、「間口に制限をかける規制」ではない。そもそもドローンの所有を免許制にするかどうかという間口に制限をかける規制の検討も必要であり、実際今年1月に米国でロイター通信が2405人を対象にした世論調査では、73%がドローンの規制を望むと回答し、42%はドローンの個人所有に反対している。

 このような民意をくみ取るため、一方で許可制を採用する州政府も出始めている。たとえば、フロリダ州では私有地の建物や人の許可なき空撮を禁止している。また、バージニア州では、警察がドローンを利用する際に、裁判所から事前に令状を取ることが義務付けられている。これらの州法からは、あくまでも許可制による規制制限にとどめて、産業の成長を極力促進していくとの考えが読み取れる。

ドローンは16年夏より


 日本政府は、今回の官民対話により、ドローンについては2016年夏を目途に上空からの画像撮影や送信を、また3年以内に離島や中山間地での荷物配送を可能にする方針を示し、そのための航空法や電波法など障害となっている規制の見直しを図るとしている。

 いずれにせよ、日本でのドローン規制における個別具体的な検討はこれからになるが、「利便性」だけを優先するのではなく、「安全性」を最優先に配慮して規制への取り組みを進めていくことが肝要である。そのためには、間口や運用面など、さまざまな角度から規制制限を検討していくことが必要となろう。
(文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員)