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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

間違いだらけの食事制限…1日1食と3食、どちらがよい?「空腹」が健康をもたらす!

文=新見正則/医学博士、医師
間違いだらけの食事制限…1日1食と3食、どちらがよい?「空腹」が健康をもたらす!の画像1「Thinkstock」より

 前回の本連載は加工肉のお話でした。今回は食事の回数について、「極端君」と「常識君」が激論を交わしています。極端君は「1日1食で快調だ!」と言う論調で、一方の常識君は「1日3食、規則正しく食べるのが長年の伝統だろう」という意見です。

 まず常識君が主張するように1日3回食べることが日常になったのは、実は江戸時代中期といわれています。元禄時代(1688〜1704年)から今日の3食という習慣になったようです。それまでは1日2食だったそうです。もちろん労働者の人々は今よりも長時間働いていたと思われますので、間食などは摂っていたことでしょう。1日3食は現代の常識ですが、実は300年ほどの歴史しかない常識ともいえます。

 一方で、1日1食というのは昨今ではときどき耳にすることです。太っている人が痩せたいがためにチャレンジしていることが多いようです。学校の給食にしろ、世の中の生活のスタイルが3食で設計されていますので、1食主義者の人は現代ではちょっと変人扱いされます。

飢餓を楽しむ

 では、健康にはどちらがいいのでしょうか。

 それは人それぞれでいいのです。まず、朝食、昼食、夕食、そしておやつを食べても健康で過ごしている方は、特別に今のスタイルを変更する必要はありません。問題は太りすぎていて痩せたい方ですね。そんな方が3回食べて1回当たりの食事量を減らすのか、それとも1日1食でがんばるのかという選択肢です。これも痩せるということが目的であれば、自分が痩せやすいほうを選択すれば良いのです。

 まず、1日1食でOKな人は、基本的に健康です。その意味は、食事のカロリーで補えない時は保存されているエネルギーを使用することができるからです。炭水化物や脂肪は余剰な時は脂肪として貯えられるのです。そして食事を摂らずにちょっとした飢餓状態になると、その貯えた脂肪を燃焼するシステムが効率的に働くのです。

 一方で頻回に食事やおやつを摂らないと仕事の効率が落ちる方は、脂肪を燃やすシステムがうまく稼働していません。ですからちょっとした空腹で血糖が下がると、脂肪を燃やす前にお腹が減って、そして甘い物を口にするようになるのです。精一杯の自己防衛本能なのですが、余ったエネルギーは脂肪として貯えられ、でもそれを効率的に利用できないのでどんどんと太ることになります。

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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