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中国、大量破壊兵器・神経ガスを秘密裏に生産・輸出か 天津爆発事故現場で

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「Thinkstock」より
 8月12日午後11時30分頃、中国・天津市の倉庫「浜海新区」で巨大な爆発が発生した事件は、記憶に新しい。

 天津は人口が約750万人に上る巨大都市で、中国の首都である北京市にも隣接し、輸出港としての機能も高い重要都市だ。その天津で3000トン以上もの危険化合物が爆発した。

 8月12日深夜の巨大な爆発を受けて、地元の天津テレビの取材クルーは同夜に真っ先に現場を取材し、地獄絵図のような大規模爆発の現場を収録した。その時に撮影された遺体は1000体以上だったといい、クルーは遺体の状況を見て「まるで核攻撃を受けて亡くなった人の遺体のようだった」と語った。

 しかしこの直後、中国共産党中央宣伝部と国家新聞出版広電総局から全メディアに通知があり、取材した画像や映像のすべてを中国中央テレビ(CCTV)へ提出するように命じられた。そしてCCTVでの放送では、これらの現場の映像は一切使われず、感動の救出劇として話がすりかえられて放送されたため、事故直後の実際の現場映像が中国国内で放映されることはなかった。

 しかしインターネットなどで広がった爆発の規模が、あまりに巨大すぎるほどだったことから世界的に注目を浴びることとなった。そして爆発事故から3日が経過すると、爆発現場には地面に巨大なクレーターのような穴が開いている様子なども明らかとなってきた。その8月15日、中国当局は有毒ガスのシアン化ナトリウムが漏れたことを理由として、爆発現場から半径3キロ以内の住民へ緊急避難するように命じた。その翌日の16日になってから、中国の李克強首相はようやく現地入りして、捜索や有毒ガスの拡散防止などに全力を挙げるよう指示した。

 17日夜にはCCTVが、現場に出動した消防幹部の話として、天津の現場では化学兵器の一つ“神経ガス”の成分が検出され、その検出された値は指標として測定できる最高の値を超えていると報じ、神経ガスが充満している現地の実情が海外にも明らかとなった。これにより、中国内はもちろん、海外でも「なぜ軍事用の大量破壊兵器である神経ガスが、天津での爆発の後に、これほどの濃度で充満しているのか」という大きな疑惑を呼ぶ状況となった。

 翌18日、中国政府は「危険化学品安全管理条例」(国務院令第591号)第6条に基づいて事故調査組を結成し、事故について調査に乗り出すと発表した。この調査は本来なら「安全管理」に関する調査であり、同条例に基づいて国家安全生産監督管理総局が担当となる調査だった。しかし同日、同局の局長について「重大な規律違反と違法行為があり調査している」と中央規律検査委員会が発表し、局長は被疑者となったため、公安部が担当するという異例の事態となった。このような経緯から、この調査は中国国内でも信憑性に大きな疑問符がつくこととなった。