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尾木ママの「叱らない&ほめる子育て」は危険?評価を用いた子育てはよくない

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「Thinkstock」より
 子育てにおいて重要なのは「ほめる」ことだというのが今の子育て論の主流だ。世間に溢れる育児関連本にも「ほめる」「叱らない」といった言葉を冠するタイトルは非常に多い。

「尾木ママ」の愛称で親しまれる教育評論家・尾木直樹氏の著書『尾木ママの「叱らない」子育て論』(主婦と生活社)でも、「子どもは“叱る”のではなく“ほめる”ことで伸びていく」と述べられているが、そもそも、ほめるというのが子どもにとって本当にいいことなのだろうか。

 そこで、『「ほめない子育て」で子どもは伸びる』(小学館)の著者である岸英光氏に

・なぜ、ほめてはいけないのか
・ほめるでも叱るでもない、子どもを伸ばす育て方とは

などについて話を聞いた。

ほめることは、人に自分の価値を決められる体験?

--「ほめない子育て」を提唱している理由を教えてください。

岸英光氏(以下、岸) 私は“ほめる”子育ては危険だと考えています。なぜなら、ほめるというのは叱ることと同様に、評価で子どもを動かそうとすることですので、「あなたの価値は他人が決めるんだよ」というメッセージになるからです。これでは、自己承認の心が育ちません。ましてや、自分の価値を他人に与えられることに慣れてしまえば、他人の評価ばかりを気にする子どもになってしまい、ほめてくれる人に依存する可能性が大いにあるわけです。ほめてもらえないことで、自分の存在が否定されるようにさえ感じることでしょう。これでは自尊心や自己肯定感が育ちません。しかも「すごいね」「偉いね」という言葉は、判断基準がほめる人によって変わります。そんな抽象的であいまいな言葉で評価するのがいいことだとは思いません。本来、自分の価値は自分で見つけ育て、自分で自分を認められるようになるべきものなのではないでしょうか。

--昨今の子どもや若者たちは、他人にどう思われるかを必要以上に気にする傾向が強いように思えるが、これはほめる子育ての影響といえるでしょうか。では、どのように育てるべきなのでしょうか。

 ほめるのではなく、認めてあげればいいのです。この2つは同じように思えるかもしれませんが、本質的にはまったく違うことです。ほめるというのは快感で人を動かすイメージですから、子どもは「ほめられるのが嬉しいからお手伝いや勉強をする」といった行動原理になってしまいがちです。人に貢献することに価値を感じるわけでもなく、興味を持って意欲的に勉強するわけでもありません。ただ自分が気持ちいいかどうかが基準になります。ですから、不快感を覚えればすぐにやめてしまう、ということもあり得ます。