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大西宏「コア・コンセプトのビジネス学」

テレビもDVDもツタヤも、「終わり」始めている 定額動画サービスの脅威

文=大西宏/ビジネスラボ代表取締役

 定額動画配信や見逃し番組のオンデマンドなどで、好きな時間に、好きなメディアで、好きな番組を見ることができる。そんなサービスが競い合う時代にいやがおうでも入っていきます。テレビ局も当然巻き込まれます。他局との視聴率競争だけでなく、映画や過去のヒット番組と競合してきます。時間を奪い合う競争です。そう考えると、テレビをめぐるイノベーションとしては、任天堂などのテレビゲームの登場以来の出来事が起ころうとしていることを予感させます。

放送とネットの境界がさらになくなる

 思い起こせば、2005年にライブドアによるニッポン放送への敵対的買収事件が起こった時に、「ネットと放送の融合はありえるのか?」という口角泡を飛ばす熱い論争がありました。いま振り返ると、まるでジョークなのかと思うような議論でした。

 しかし、その2年後には見逃した番組をあとから見られる「アクトビラ」がスタートし、さらに5年後あたりから、NHKや民放各社が有料で見逃し番組を販売するオンデマンドサービスをスタートさせ、またNTTドコモのdビデオやHULUなどの定額動画配信などが次々に登場します。

 さらに無料動画のユーチューブをスマートフォン(スマホ)で楽しむことも若い世代では当たり前になりました。動画を見るメディアが、スマホやタブレット、PCなど、テレビだけではなくなり、また動画コンテンツの多様化が起こってきたのです。

 サイバーエージェントが15年6月に、全国47都道府県の15~69歳で週に1回以上ネットに接触する男女3万人を対象として、動画メディアの利用状況調査を実施しています。10代はスマホで動画を視聴する割合が80%で、テレビとほぼ同水準。10~40代は約半数がPCで動画を視聴し「若年層へネット動画が浸透している傾向が鮮明になった」としています。

 さらにツイッターからの投稿で視聴者が参加する番組も当たり前のように生まれ、ネットと放送の境界感覚がなくなってきています。

 そんな流れの中でネットフリックスやアマゾンなどのサービスがスタートし、また新世代Apple TVが発売されました。これらのサービスが浸透していくにつれ、ますますテレビとネットの境界が意味をなさなくなってきます。

サブスクリプションが既存のビジネスモデルを破壊する

 もはやコンテンツを買ったり、借りたりする時代が終わるのかもしれません。音楽も、アルバムや曲を買うことから、定額ストリーミングへ移行しようとしています。映画もテレビ番組も、番組をひとつずつ買ったり借りたりするペイ・パー・ビューから、定額で見放題のサービス利用へと移っていくものと思われます。いわゆるサブスクリプションといわれるものです。

大西宏/ビジネスラボ代表取締役

大西宏/ビジネスラボ代表取締役

ビジネスラボ代表取締役。自称「マーケティングの棟梁」

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