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テレ東社員の「特殊能力」…低予算でヒット連発する異常に高いスキル

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テレビ東京本社(「Wikipedia」より/ITA-ATU)
『家、ついて行ってイイですか?』『逆向き列車』『交換少女~アノ娘の街に住んでみた~』……。

 タイトルだけで何やら興味をそそられるこれらの番組は、すべてテレビ東京によるものである。

 近年、このテレ東の躍進が目立っている。以前は「万年5位」などと民放の中で視聴率最下位であることを揶揄されていたが、最近はバラエティ番組での斬新な企画が話題を呼ぶことが多い。特徴的なのは、いわゆる素人を巻き込む企画が多いことだ。

『家、ついて行ってイイですか?』は、終電を逃した人に文字通り「家について行っていいですか?」と声をかけ、実際に相手の家に上がり込むというもので、『逆向き列車』は、通勤前の人に「会社を休んで、いつもと逆向きの列車に乗りませんか?」と提案、その後の非日常を追う。今年1月に放送された『交換少女』は、東京・渋谷と鹿児島・屋久島の女子高生がお互いの生活を1週間交換するものだ。

 そのほか、空港で来日した外国人を直撃する『Youは何しに日本へ?』や、世界各地で活躍する日本人を紹介する『世界ナゼそこに?日本人~知られざる波瀾万丈伝~』も、テレ東の人気番組だ。

 なぜ、テレ東が“素人市場”を独占したのだろうか。「素人ものは計算できないので失敗するリスクも大きいですが、その分リアルな画が撮れるため、予想外の面白さも生まれる」と語るのは、テレビ業界関係者だ。

「素人さんを使わせてもらう企画の場合、制作側も『いったい、どこまで要望に応えてもらっていいものか』を探りながらやっています。いかに、その人の日常を撮るかが大事になってくるので、相手には素の自分になってもらうことが大前提です。『これはテレビだ』と意識されてしまうと、どうしてもカッコつけたり、普段と違う感じになってしまいますから。

 そのため、テレ東の社員は『業界人っぽさを消す』という特殊技術を持っているような気がします。例えば、現場でロケをするディレクターが、いかにも“テレビマン”という感じで素人さんに接していたら、あんなに生々しい番組づくりはできないと思います。

 素人さんには、ある意味で警戒されないように、自然に接することが大事です。制作の人間はタレントと接することも多いので、服装をビシッと決めたり、だてメガネなどで“業界人感”を出す人も多いのですが、素人さんが相手の場合は、逆に『僕も、あなたと同じですよ』という空気を出さなければ、うまくいかないわけです。

 一方、まだまだ『テレビは偉い』と思っていて、横柄な態度を取るディレクターなどがいることも事実です。しかし、そういう人の取材現場を見ていると、やはり相手はずっと緊張しています。『こうやればいいんですか?』『これで合っていますか?』という感じで、せっかく面白い要素を持っている素人さんが、制作側の指示を待つようになってしまうのです。そうなると、もう屈託のない笑顔も撮れなければ、突拍子もない発言も出てこないんですよ。テレ東の人たちは、そのさじ加減が実にうまいと思います」