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工事担当者の3割がデータ改竄…旭化成に忍び寄る危機 稼ぎ柱ヘーベルハウスに大打撃

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旭化成建材(株)による杭工事実績3,040件に関する調査報告(「旭化成 HP」より)
 旭化成建材による杭打ちデータ偽装問題の拡大で、親会社である旭化成の業績への影響が深刻なものになりつつある。


 旭化成は11月6日、2016年3月期連結純利益の見通しを下方修正した。売上高は前期比0.7%増の2兆円、営業利益は3.8%増の1640億円と当初予想を据え置いたが、純利益は13.9%減の910億円(当初1060億円)に引き下げた。だが、純利益を下方修正した理由は、来春行う組織改正に合わせたシステム改修費が負担になるためだとしている。

 偽装問題については「今後の調査の進捗状況等によっては、引当金を計上すること等により、当社の連結業績に影響が生じる可能性がありますが、現時点ではその影響額を合理的に見積もることは困難」(決算短信)として、業績予想に織り込んでいない。今後、マンションの建て替えや住民への補償などが具体化すれば、その対策費用を計上する必要に迫られる。

 旭化成は偽装問題の影響を受ける建材事業部門の業績見通しを見直した。建材事業の下期(15年10月~16年3月)の売上高は244億円(当初予想280億円)、営業利益は19億円(同25億円)に減額した。決算発表した小堀秀毅専務執行役員は、その理由について「杭打ち工事の問題で、営業活動がかなり制限されるとみている」と説明した。

 しかし、新規受注の落ち込みが、この程度で収まるとの見方は少ない。過去10年間で杭打ちした全国3040件のうち2864件の調査を終え、360件でデータの偽装があったことが明らかになった。50人以上の現場責任者が、これに関与していた。旭化成の平居正仁副社長は企業風土を問う質問に対し、「外部調査委員会が調査しているのでコメントは控えたい」と繰り返した。

「先輩から教わって改竄」


 13日に公表した2376件のうち改竄があったのは266件で、調査した物件の1割以上に相当。35都道府県にまたがっている。旭化成建材の工事担当者は180人で、改竄に関与したのはそのうちの3割にあたる。ほとんどが下請けからの出向だという。

 2日に会見した経営陣は組織ぐるみの不正を重ねて否定したが、13日の会見で従業員800人規模の企業で、出向者が多いとはいえ50人以上もが不正に手を染めていた実態が浮き彫りになった。もはや「個人がやったこと」では通らない。複数の現場担当者は同社の聞き取り調査に対し「データが取れなかったときに、先輩から教わって改竄を始めた」と説明したという。