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カネで不当解雇し放題制度が目前!実は労働者にメリット?解決金額は?

構成=編集部
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 この意味で、解雇無効時に労働者側で「補償金支払請求権」のような権利が認められれば、労働者側は堂々と解雇無効を争いつつ補償金の支払いを求めることができます。政府の検討する解決金制度が、このように現行制度を改善するものであれば一定の意義はあるかもしれません。

–解決金の水準を法律で定める上で、注意するべき点はありますか。

佐藤 現行制度では、解雇無効を争う場合、一般的に「従業員としての地位確認請求」を行うため、「賃金の何カ月分を支払う」というかたちで和解協議が行われることが多いです。使用者が解雇を言い渡してから紛争が解決するまでの期間の賃金に加え、諸般の事情を考慮して解決金の額が決められます。解雇無効と判断し得る事案であれば解決金の額は、労働審判で賃金の3~9カ月分、訴訟なら1年分以上ということもあります。

 法律で解決金の水準を定める場合、労使双方の落ち度や労働者の要保護性など金額決定上の考慮すべき要素と計算方法の枠組み等を定めることになるでしょう。このためには、事件の類型ごとに事例の蓄積と分析を行い、最終的に労使双方が納得できる方法論が確立される必要があります。

 たとえば、交通事故の保険金支払額では、類型ごとに妥当な金額を計算するための非常に細かな方法論が確立されています。解雇事件の解決金も、制度として導入される場合、このような緻密な分析の蓄積に基づいて定められるのが望ましいでしょう。

–ありがとうございました。
(構成=編集部)

【取材協力】
弁護士 佐藤宏和
事業再生、M&A分野に強いセンチュリー法律事務所の所属弁護士。弁護士登録以前に、ソフトバンク、SBIホールディングス等で子会社の上場や、代表者として子会社を経営した経験を持つ。ソフトバンク在籍中に米国公認会計士試験に合格するなど、会計実務にも通じる。
http://century-law.com/lawyers/hirokazu_sato

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