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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

業界の雄・日本生命の没落と惨状…首位陥落で焦り、セコすぎる手法で収入「かさ上げ」

文=鷲尾香一/ジャーナリスト

 そのため、この手の資金運用は手間暇がかかる割には金融機関に入る実入りが少ないため、実は多くの生保会社をはじめとする金融機関は運用を引き受けたがらない。いってみれば「見かけ倒しの中身のない資金」といえる。日生は、こうした資金をも獲得することで、保険料等収入の“かさ上げ”を図り首位に返り咲いたのだ。

 いずれ残高が減り、再び第一生命に追いつかれるのではないかとの疑問も持たれるが、そこは“深謀遠慮”に長けた日生。16年度には、三井生命の買収効果が表れるので、「労せずして保険料等収入が増加する」のだ。

 生保業界は保険契約者不在の競争が加熱しそうな様相を呈している。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

鷲尾香一/ジャーナリスト

鷲尾香一/ジャーナリスト

本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。

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