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雨宮寛二「新・IT革命」

セブン&アイ、アマゾン・楽天「超え」も目前…全勢力結集の革命的ネット通販

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サイト「omni7」より
 最近、「オムニ」という言葉を聞くようになったと感じている人は、少なくないのではなかろうか。オムニ(omni)とは、「あらゆる、すべての」という意味で、具体的には「オムニチャネル」を指す。

 オムニチャネルとは、2011年に米国で生まれたサプライチェーン戦略を示す概念で、端的にいえば「顧客が商品を欲しいと思ったら、いつでどこでも注文でき、希望する場所で商品を受け取れる販売・流通・物流形態」を意味する。

 マルチチャネルやクリック&モルタル、O2O(Online to Offline)とよく混同されるが、大きな違いは、商品やサービスを「知る」「調べる」「注文する」「買う」「受け取る」といった情報収集から購入までの一連の行為が、複数のチャネル(インターネット、モバイル、SNS、マスメディア、広告、実店舗など)を経由しても、ストレスなくシームレスに進められる仕組みを備えている点にある。

『アップル、アマゾン、グーグルのイノベーション戦略』(雨宮寛二/エヌティティ出版)
 このオムニチャネル戦略を、「受け取る」というプロセスから遡って実現しようとしているのが、セブン&アイ・ホールディングス(HD)である。セブン&アイHDは、コンビニエンスストアという強固なプラットフォームを基盤にして、オムニチャネル戦略を強力に推進する意向である。

 実際、セブン&アイHDは小売り業界のなかでもいち早くオムニチャネル戦略に着手した。13年には、オムニチャネル宣言をして、同戦略を早々に取り入れて業績を大幅に改善したメーシーズの取り組みを学ぶために、オムニチャネル先進国である米国に幹部を派遣し、セブン&アイHD全体のオムニチャネルプラットフォームづくりを推進してきた。

 今年11月には、「omni7(オムニセブン)」を開設して、オムニチャネルを具現化するサービスを立ち上げた。全国に約1万8000店舗あるコンビニのセブン-イレブン・ジャパンを核にして、百貨店ブランドの西武やそごう、スーパーのイトーヨーカ堂、さらには専門店のロフトや赤ちゃん本舗などグループ各社のECサイトを統合して、オムニチャネル対応により顧客の利便性を高めることで、EC(ネット通販)の売り上げを伸ばす狙いである。

 セブン&アイHDはこうしたオムニチャネル戦略を推進していくことで、18年度までに約1000億円をIT・物流に投資し、目標600万アイテムの品揃えを実現することで、ネットスーパーを含めたネット通販で売上高1兆円を目指す意向を示している。