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チェス映画は刺激的なものになり得るか? 壮絶な頭脳戦を描く『完全なるチェックメイト』の挑戦

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【リアルサウンドより】

 これだけ沢山の映画が作られている時代にもかかわらず、チェスをテーマにした映画は少ない。二人の人物が静寂の中で向かい合って、盤上で駒を動かすという行為は、映画として描くには極めて地味な光景である。それどころか、動かされるだけであるその駒をフレームの中心に捕らえるということは、映画に必要なモーションを著しく不足させてしまう。駒は予想外の動きをしないので、例えチェスのセオリーから逸脱した駒の動かし方をしたところで、予想外の動きをしたのは人物であり、観客の視線は盤上ではなく、駒を動かす人物に辿り着くため、チェスという競技を選択する必要性がなくなってしまうのだ。

 そのため、チェスは一種の小道具として扱われてばかりだ。物語をかき回す作用を持つ作品としてすぐに思い浮かぶものは、2001年に世界的大ヒットを飛ばしたクリス・コロンバスの『ハリー・ポッターと賢者の石』ぐらいだろうか。

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