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楽天の危機…停滞鮮明で成長「演出」に必死、ヤフーの猛攻でトップ陥落

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 楽天市場の停滞は出店店舗数に現われている。15年9月末時点のそれは4万2601店。14年12月末の4万1442店から1159店しか増えていない。

ヤフーの猛追


 ヤフーの第2四半期(15年7~9月)のeコマース国内流通総額は前年同期比18.5%増の3335億円。内訳は、主力のヤフオク!などオークション関連の取扱高が同5.8%増の2032億円、Yahoo!ショッピングなどショッピング関連が27.3%増の1139億円。買収したオフィス用品配達のアスクルのネット経由の取扱高が163億円だった。特にショッピング関連の取扱高が大きく伸びた。

 15年9月末時点のストア数(出店者数)は34万店。14年9月末の19万店から15万店、80%も増えた。商品数は1.2億点から1.8億点に49%増えた。上半期にカルチュア・コンビニエンス・クラブ、ソニー、大丸松坂屋百貨店が新規出店した。

 楽天市場とYahoo!ショッピングの出店者数に大きな違いが生じたのは、ビジネスモデルの違いによる。楽天市場は出店料で稼ぐ。出店料は月額1万9000円からとされ、さまざまなオプションなどを付けると年間出店料は実質58万2000円に上るという(15年5月29日付楽天出店サポートマガジン『楽天逆転プロジェクト』メール版『楽天出店で失敗しないために』より)。

 一方、Yahoo!ショッピングは売上手数料と出店料は無料で、広告収入で稼ぐことを基本にしている。有料か無料かで、出店数に大差がついた。

「無料」の衝撃


「きょうは革命的な内容をご説明する」

 ヤフーの親会社、ソフトバンク社長の孫正義氏は13年10月7日、Yahoo!ショッピングの出店者向けのイベントで講演し、Yahoo!ショッピングとヤフオク!の出店無料化を発表した。Yahoo!ショッピングのストア出店料(初期費用2万1000円、月額費用2万5000円)と売り上げロイヤルティ(売り上げの1.7~6.0%)を完全に無料化。ヤフオク!の出店料(月額1万8900円)も無料にした。

 出店のハードルを大きく下げ、出店者数、出品数を急拡大して19年までに楽天市場を抜き、国内ショッピングモール市場でナンバーワンになると宣言した。

 無料化にヤフーが払った代償は大きかった。14年9月中間決算(14年4~9月)の営業利益は1996年の創業以来、初めて減益となった。手数料収入がなくなる上にネット通販関連のプロモーション費用が生じ、半期で100億円の減益要因となった。